「いいキャッチャーになれる。唯一自慢できるのは、いまだにあんまりそういうスタンスは変わってないっていうことだけです」
吉田:ただ、司会で稼いだお金も競艇場でそのまま散財しちゃってるわけですよね。
徳光:結局そうなんですよ、水泡と帰してるだけなの、競艇場だけにね。そういうバカなことをさせてもらったことがその後の番組にホントに役に立ちましたね。『ズームイン!!朝!』っていうのは、今日はどういうネタかっていうことを私にだけ教えてもらえなかったんですよね。そうするとより集中するし。
吉田:いい反応が返ってくる。
徳光:うん、いいキャッチャーになれる。唯一自慢できるのは、いまだにあんまりそういうスタンスは変わってないっていうことだけです。80歳のいまも同じような形で仕事をさせてもらってるっていうのはカミさんの言葉に支えられてるんですけれども、「あなたは80になってもちゃんと声がかかるのがすごい」というふうに言われるわけですよ。俺たちの仕事は営業活動をして売り込むわけじゃないので、オファーがあって初めて成り立つ。芸者さんみたいなもんですからね。
吉田:お座敷に呼ばれればっていう。
徳光:そうです。ただ残念ながら声に衰えを感じますね、自分のなかでは。いまたぶん一時間ぐらいしゃべってると思いますけど、1時間ぐらいしゃべったって声なんかどうっていうことなかったのに、いまちょっと自分が出したい音が出てないですもんね。
吉田:ぜんぜん変わらない印象ですけどね。
徳光:いやそんなことない。これが歳をとって悔しいかなと思うことでありますけど。これもちょっとマッサージするとまたいい声になりますので。今日は駄弁を弄しまして、失礼いたしました。じゃあ、最後にこの『吉田豪の部屋の本』にサインをもらおうかな。
吉田:えーっ!? 申し訳なさすぎますよ!
※週刊ポスト2021年10月29日号