作り置きでうつリスクを軽減
セロトニンの分泌を妨げないようにするため、なるべく料理のストレスを避けるべきと主張するのは管理栄養士の圓尾和紀さんだ。
「忙しくて余裕がない状況で毎日料理をしていると、精神的に追い込まれて、うつ状態につながりやすい。簡単にできて作り置きも可能なうえ、セロトニンの分泌を促してくれる一品は、『根菜たっぷり豚汁』です」
ごぼうや里いも、さつまいもなど根菜の量が多く、咀嚼回数を増やすことでセロトニンが多く出る豚汁に仕上がっているという。
「セロトニンは一定のリズム運動をすることで分泌されやすくなるため、咀嚼回数が多いほど分泌量が増えるのです。そこで噛みごたえがある具材をスープにたくさん入れています。
トリプトファンを脳の細胞に運ぶためには、糖質も必要です。さつまいもには自然の糖質が含まれ、トリプトファンの合成を助けるビタミンB6も豊富。ただし豚汁だけではたんぱく質が足りないため、肉や魚、大豆も一緒に食べることを推奨します」(圓尾さん)
スープでお腹を温めたら、一緒に摂るべき食品を探したい。専門家たちにスープとともに、
「幸せホルモンのために食べるべき食材」を取材したところ、最も多くの票を獲得したのは「納豆」だった。「納豆の原材料である大豆にはふんだんにトリプトファンが含まれており、セロトニン合成に必要なマグネシウムもたっぷり。
また、トリプトファンは脳だけでなく腸内でもつくられているため、腸内環境の改善も、セロトニンの増加に有効です。腸活にもぴったりの納豆はまさにうってつけでしょう」(圓尾さん)