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開高健賞作家・畠山理仁氏 総選挙真っ只中に読みたい選挙エッセイ

 本書で特に印象深かったのが、今年の戸田市議選でついに当選を果たしたスーパークレイジー君こと西本誠氏の進化。これまで私たちは彼ほど真剣に社会のことを考えてきただろうか。

「基本的に選挙に出る人は金の卵なんですよ。最初は単なるイロモノ扱いでも、有権者の目に触れ、叱咤激励されるうちに、本来の仕事や政策に集中できるようになる。岸田首相だってこれから国民の声を聞いて、よりよい政治家になる可能性はあるし、政治家は全員死ぬまでそう。昔、もし書けるなら『日本列島全員立候補』という小説を書きたいと思っていた僕は、彼らに対して、自分たちの代わりにありがとう、という感謝しかありません」

 今の政治を変えうるのは批判より愛情だと畠山氏は言う。お互いに刀を持って斬り結べばこちらも無傷とはいかない。相手の懐まで接近し、かつ安全でいられる方法が、「愛情をもって近づく」ことなのだと。

【プロフィール】
畠山理仁(はたけやま・みちよし)/1973年愛知県生まれ。早稲田大学第一文学部在学中から執筆活動を開始。日本、アメリカ、ロシア、台湾等、世界各地の選挙現場を20年以上取材し、2017年に『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』で第15回開高健ノンフィクション賞。著書は他に『記者会見ゲリラ戦記』『領土問題、私はこう考える』等。176cm、体重は「選挙前は70kgくらい。選挙期間中はろくに食べられないし眠れないんで、軽く10kgは減ります」。O型。

構成/橋本紀子 撮影/国府田利光

※週刊ポスト2021年11月5日号

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