新幹線に乗り込む工藤静香
そのプレッシャーは綾瀬の肩にも大きくのしかかっている。スタッフが小さくため息を漏らす。
「もともと責任感が強く、人には迷惑をかけないというタイプですが、今回ばかりは病み上がりの影響があるようで……。綾瀬さんは想像以上にキツそうなんです」
綾瀬が新型コロナウイルスに感染したのは、クランクイン直前の出来事だった。8月下旬に感染が明らかになった綾瀬は中等症と診断され、入院を余儀なくされた。
「9月に予定されていたクランクインは1か月ほど遅れる形となりました。ただ、撮影に入っても綾瀬さんは自分の体調に不安を感じているようで……。これまでの作品では、長めのシーンの撮影が続いても、綾瀬さんが休憩を求めることはほとんどありませんでした。ところが今回は肩で息をしていることもある。本人は弱音を吐かない分、周囲がこまめに休憩を入れている感じです。相当つらい闘病だったようですから、コロナの後遺症が残るのも仕方ありません」(映画関係者)
綾瀬はスタッフにも評判の体力の持ち主だった。
「2016年にアクションシーンが目白押しの『精霊の守り人』(NHK)の主演を務めたことをきっかけに、本格的な肉体改造に取り組んだそうです。女性なら体重の半分が目安といわれるベンチプレスも30kgくらいは上げられるようになったそうですから、相当なものです。その努力が実ったのでしょう、どんなにハードなロケ現場でも、疲れた顔は一切、見せませんでした」(前出・テレビ局関係者)
静香の手料理に感動した
そんな綾瀬のもどかしさを、いちばん近くで見ていたのは共演者の木村だ。
「綾瀬さんはみんなに気遣い、よく食べるしよく話すし、元気そうに見えるんです。でもそれだけに無理して頑張っているように感じることもありましたが、そのたびに木村さんがさりげなくフォローしていました。だから現場には一体感があり、スタッフも綾瀬さんのためならと、衣装を少しでも軽くできないかと、でき得る限りの対応をしていました」(前出・映画関係者)
そんな綾瀬を遠方から気遣っていたのが静香だったという。
「綾瀬さんと静香さんの仲はもう10年ほどでしょうか。木村さんとの共演がきっかけで親しくなったのですが、自宅にも訪れる関係です。綾瀬さんは静香さんの手料理に感動したと話していたこともありました。今回もコロナ後の撮影を心配した静香さんから携帯に気遣いのメッセージをもらったと言っていましたよ」(前出・映画関係者)