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月刊『ムー』編集長「学術誌でも研究誌でもない、知的エンタメ雑誌」

月刊『ムー』編集長の三上丈晴氏(撮影/佐々木圭司)

月刊『ムー』編集長の三上丈晴氏(撮影/佐々木圭司)

 2021年6月、米政府は2004年以降に米軍などから寄せられた「UFO目撃情報」の調査結果を公表した。UFO(未確認飛行物体)をUAP(未確認空中現象)と再定義し、調査対象144件の大半が「説明不能」であることを認めた。つまり、UFOの正体は何なのか、明確な答えは出ていないのだ。

 長年、UFOについて多くの話題を取り上げ、UFOファンの支持も厚い月刊『ムー』名物編集長の三上丈晴氏に、「説明不能」とされたことについて問うと、「謎がすべて解明されたら雑誌は売れない」と笑う。

「UFO問題の原点、『ロズウェル事件』の発生は70年以上も前。興味深い事実はあっても、なかなか真実にたどり着けないから読者の好奇心を掻き立てると思うんです。記事では、あらゆる仮説を扱う。たとえば今月号の特集で『UFOはタイムマシンだった!』とやっても、次号の予告を見たら『宇宙人の正体は地底人だ』と書いてある(笑)。節操はないけど、仮説として個々の記事で筋が通っていればOKです」(三上編集長)

 創刊から40年余り。雑誌作りにブレはない。

「UFOや超能力、そして心霊現象にしても、編集部が『これは間違いない。どや!』とやると読者はドン引きしてしまう。読者の方も一家言もっているので、そこは『まだまだ不思議なことはある。引き続き調査中』というスタンスを示すことが大事なんですね」

 政治家や文化人、芸能人にも愛読者は多いというが、

「何かの会話の弾みで愛読者とバレるパターンが多いようですね。“隠れ信者”が多いようです(笑)。『ムー』は学術誌でも研究誌でもない。あくまでも知的エンタメ雑誌です。これからも『東スポ』さんに負けないUFOスクープを狙っていきます」

※週刊ポスト2021年11月5日号

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