国内

子供への新型コロナワクチン、世界各国で賛否両論 推奨派と慎重派の意見

(共同通信社)

子供への接種が賛否両論を呼んでいる(共同通信社)

 いずれまた新型コロナウイルスの「波」はくる。多くの人はそれを疑わないはずだ。問題はその時期。中学、高校、大学受験という人生の天王山のハイシーズンに直撃しそうなのだ。あなたは子や孫にワクチンを打たせますか?

「アメリカの感染者数の4分の1が子供。ワクチンは安全で効果がある。子供にワクチンを接種させてください」

 11月3日、国民にそう訴えかけたのはアメリカのバイデン大統領。その日、アメリカで5才から11才の子供へのワクチン接種が始まった。従来の3分の1の量のファイザー製ワクチンが使われ、3週間あけて2回目を接種する予定だ。

 アメリカでは夏の終わりから秋口にかけて子供の感染者が急増。9月に新学期が始まると10代以下の新規感染者が週に25万人を超えて、バイデン氏は危機感を抱いたようだ。

 子供へのワクチン接種を進めるため、アメリカ各地ではさまざまな動きが見られる。たとえば、ニューヨーク市は接種した子供に100ドルをプレゼント。カリフォルニア州は州内の学校に通う全児童にワクチン接種を義務づける方針だ。

 しかし、保護者の心は揺れ動く。在米医師の大西睦子さんが指摘する。

「10月、カイザーファミリー財団が5~11才の子供を持つ親に聞き取り調査をしました。子供へのワクチン接種を聞いたところ、『すぐ接種する』『絶対に接種しない』『しばらく様子を見る』の3つの意見に完全に割れました。多くの親は深刻な副反応を心配し、長期的な影響について、充分な情報が得られないことを懸念しています」

 世界で最も早くワクチン接種が進んだイスラエルも子供への接種には慎重だ。10月の世論調査では積極的な保護者が約半数にとどまり、保健省高官は「接種を強制するつもりはない」と明言した。

 物騒なのはブラジル。サンパウロ州の担当者が子供への接種を開始する意向を表明したところ、国家衛生監督庁に、次のような脅迫状が届いた。

《息子の命を危険にさらすやつらは残らず殺す》
《息子を治験に使ったら即座に学校をやめさせる》

 世界中で賛否両論が渦巻く子供へのワクチン接種だが、日本では政府とファイザーの間で、承認申請に向けた協議が続いている。

 新型コロナワクチン行政では日本はアメリカに追随するケースが多いことを考えると、今後は5~11才への接種が始まる公算が高い。

関連記事

トピックス

“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン