アメリカでは5〜11歳へのファイザー製ワクチンの接種が始まった(AFP=時事)

アメリカでは5〜11歳へのファイザー製ワクチンの接種が始まった(AFP=時事)

 新型コロナの後遺症外来がある、目白もちづき耳鼻咽喉科(東京・豊島区)院長の望月優一郎さんが指摘する。

「各国で承認されたということは、子供へのワクチンには科学的根拠があると考えるのが一般的です。ただし日本で接種が開始されても任意のワクチンなので、最後は保護者の意向で決まるでしょう」

 米食品医薬品局(FDA)が公表したデータでは、5~11才が参加したファイザー製のワクチンの臨床試験では有効性は90.7%と高く、深刻な副反応は見られなかった。

「現時点で重篤な副反応の報告はなく、感染した際の後遺症、家庭内感染のリスクを含めて接種のメリットがデメリットを上回ると考えられます」(国際医療福祉大学病院内科学予防医学センター教授の一石英一郎さん)

 FDAの報告では、「注射を打った場所の痛み」「疲労感」「頭痛」「寒気」などの副反応が多く見られた。

「大人と同様に接種2日以内に副反応が表れて、通常1~3日続きます。注射の痛みをのぞくと、2回目の接種後に副反応を報告する子供が多かった。また10~20代の若い男性は接種後に心筋炎を発症するリスクが指摘されますが、5~11才の臨床試験では心筋炎の症例はゼロでした。一般的に子供の心筋炎のリスクは10代以上より低いとされます」(大西さん)

10代の死者は3人しかいない

 実際に子供はワクチンを打つべきかどうか。望月さんは推奨派だ。

「僕の12才の長男は9月にワクチンを接種しましたが、だるさや微熱が1日ほどあっただけです。これまでの統計でワクチンを接種していない方が新型コロナに感染すると重症化しやすく、後遺症も出やすい。臨床現場の意見としては、子供もワクチンを打った方がいいと思います」

 中村さんは子供へのワクチン接種に慎重な立場。

「子供は新型コロナに感染してもほぼ無症状か軽症で終わるので、ワクチンで重症化を予防する必要性が低いです。家庭内感染を怖がる人もいますが、大人がワクチンを接種していれば、子供からの感染を防げます。また大人から子供に感染させても重症化しないので、ワクチンのメリットが感じられません」

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