スポーツ

歴史が繰り返されるエリザベス女王杯、今年の「2年連続」は何か?

阪神競馬場のパドック

阪神競馬場のパドック

 牝馬中距離路線の女王決定戦には明らかな傾向がある。競馬ライターの東田和美氏が考察した。

 * * *
 エリザベス女王杯が古馬に開放されてからメジロドーベル、アドマイヤグルーヴ、スノーフェアリー、そして昨年のラッキーライラックと4頭が連覇を果たしているが、このレース、他のデータを見ても「2年(あるいはそれ以上)連続」がやけに目に付く。

 人気の中心になりそうなアカイトリノムスメの母アパパネは3歳牝馬3冠だけでなく2歳GⅠやヴィクトリアマイルも勝っているが、このレースでは2010年、2011年と連続3着。他にも2冠馬ミッキークイーンが連続3着、オークス馬ではヌーヴォレコルトが連続2着、先日ブリーダーズカップフィリー&メアターフまで勝ったラヴズオンリーユーも連続3着。2強、3強時代でのことならよくあるかもしれないが、勝ち馬が違うケースもある。東京の2400mで勝った名牝が京都ではもう一つ弾けなかった。

 GⅠ馬以外ではクロコスミアは2017年から異なる鞍上で異なる勝ち馬の3年連続2着。遡ってみればフサイチエアデールとオースミハルカは異なる勝ち馬での連続2着。クロコスミアとオースミハルカは他のG1での2着はない。

 前走天皇賞(秋)を使った馬が勝ったのは2頭だけなのだが、これが2004年アドマイヤグルーヴと2005年スイープトウショウ。オールカマーを使って勝ったのも2頭だけで2014年ラキシスと2015年マリアライト。3着までに入った日本馬72頭のうち条件戦を使っていたのはわずかに2頭だけだが、それが2012年3着のピクシープリンセスと2013年2着のラキシス。

 ジョッキーでは武豊が2001年から3頭で4連覇していながら、これ以外は勝っていない。それどころか古馬に開放されてからは2着、3着すらない。2016、2017年はM・デムーロが異なる馬で連覇。また河内、横山典は異なる馬で連続2着、M・デムーロは2018年から2頭で3年連続3着。そして昨年まで外国人騎手が5連勝中だ。

 種牡馬では2007年と2008年にアグネスタキオンが、2014年と2015年にはディープインパクトが異なる馬で連覇。2頭ともリーディング種牡馬なので当然かもしれないが、これ以外の年には勝っていないのだ。大種牡馬サンデーサイレンスは前記フサイチエアデールの連続2着の後、異なる馬で3年連続2着、計5年連続2着になっている。2004年からサンデー産駒が3連続、2013、2014年にキングカメハメハが2年連続、それぞれ異なる馬で3着になっている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン