「8月20日に日本ハムから中田翔を無償トレードで獲得した時から歯車が狂い始めたと思います。中田はすぐに一軍登録され、スタメンで起用された。その代わり、好調のベテラン中島宏之、前半戦からチームを救ってきたウィーラーが控えに回る機会が増えた。

 そして、中田が打率1割台と打てなくても、中軸を任せ続けた。これでチーム内に原監督への不信感が芽生えた面もあるのではないか。投手も9月に入ると中4、5日でローテーションを回すため、リリーフへの負担がさらに増した。その作戦がうまく機能していたわけでもないのに、最後までこだわり続けた。この3か月で急に意固地な采配が増えた印象です」

CSファイナルステージ3戦目、満塁の場面で走者一掃のタイムリー三塁打を打たれ、降板する菅野智之(時事通信フォト)

CSファイナルステージ2戦目、満塁の場面で走者一掃のタイムリー三塁打を打たれ、降板する菅野智之(時事通信フォト)

最も年齢の近い吉村コーチでさえ5歳下

 3位からの下剋上で日本一を目指したが、ヤクルトに完敗。それでも、原監督は来季も続投する。ペナントを奪回するにはコーチングスタッフの入れ替えも検討しなければならないだろう。しかし、山口寿一オーナーは原監督、元木大介ヘッドコーチ、阿部慎之助作戦コーチが中心となって立て直してほしいと明言している。

「将来のために阿部コーチが一軍にいることは必要でしょうし、元木ヘッドは今年こそ優勝を逃した戦犯のように言われていますが、昨年までの2連覇に貢献している。ただ、元木コーチは三塁コーチャーに戻し、原監督にモノを言えるヘッドコーチを入閣させるべきではないでしょうか。失速した終盤以降、“イエスマン内閣”のように見えた。そうでなければ、CSファイナル2戦目の敬遠は考えにくい」

 原監督は第1次政権の時には鹿取義隆、第2次政権の時には伊原春樹という年上のヘッドコーチを据えて日本一になった。近藤昭仁や篠塚和典、尾花高夫、内田順三など他にも年上コーチがいた。第2次政権末期になると原監督自身が最年長になっていたが、年下ではあるものの遠慮しない川相昌弘がヘッドを務めていた。しかし、第3次政権では大幅にコーチ陣が若返り、今年は最も年齢の近い吉村禎章コーチでさえ5歳下だ。

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