芸能

丹後、伊豆、函館…灯台から灯台へ 大原麗子さん出演映画の舞台を巡る

28歳で発症したギラン・バレー症候群の後遺症に悩んでいた

映画で大原麗子さんが暮らした灯台のなかから4か所をめぐる

 今年、生誕75周年になる大原麗子さんが出演した映画『新 喜びも悲しみも幾歳月』(1986年 監督/木下惠介)は、一家が転勤を繰り返しながら全国の灯台をめぐる物語でもある。映画で大原さんが暮らした灯台のなかから4か所をめぐる。

【あらすじ】
 灯台守夫婦の愛と労苦の歩みを描いた1957年の大ヒット作を名匠がセルフリメイク。加藤剛と大原麗子が夫婦役を演じる。灯台から灯台へと転勤するたびに山梨から訪ねてくる老父(植木等)との関係を軸に、ユーモアを交えながら、1973年から13年間の家族愛を描く。各地の灯台の雄姿と名所旧跡も見どころで、あの有名な主題歌も懐かしい。

●石廊埼灯台(静岡県)

石廊埼灯台(静岡県)

石廊埼灯台(静岡県)

 1975年に赴任した灯台は伊豆半島最南端に立つ。内部の一般公開は年2回だが、敷地は通年開放。灯台の先には石室(いろう)神社が鎮座する。

●経ヶ岬灯台(京都府)

経ヶ岬灯台(京都府)

経ヶ岬灯台(京都府)

 1898年に丹後半島最北端に設置され、第1等レンズを使用した希少な灯台。映画は一家がここから石廊崎への引っ越し準備をする73年3月から始まる。

●八丈島灯台(東京都)

八丈島灯台(東京都)

八丈島灯台(東京都)

 1980年、一家は八丈島に。円形灯台は島内最東端、石積ヶ鼻の高台にそびえる。

●恵山岬灯台(北海道)

恵山岬灯台(北海道)

恵山岬灯台(北海道)

 一家は八丈島から函館の官舎へ。この灯台は1890年に設置。周辺は現在、公園に。

 真面目で口数が少ない夫に対し、大原演じる妻はお喋りで明るい。突然訪ねてきては面倒をかける義父に嫌味を言いつつも世話を焼き、灯台守の妻は我慢の連続だと夫に愚痴りながらも「お喋りだった私が無口になっちゃった」と笑わせる。八丈島灯台を眺めて夕涼みをしながら夫が父親と一緒に暮らしたいと告げる場面は一大クライマックス。大原は長台詞で最高の演技を見せ、観る者に「こんな妻が欲しい」と思わせる。

(一部敬称略)

写真提供/大原政光

※週刊ポスト2021年11月19・26日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
卓球混合団体W杯決勝・中国-日本/張本智和(ABACA PRESS/時事通信フォト)
《日中関係悪化がスポーツにも波及》中国の会場で大ブーイングを受けた卓球の張本智和選手 中国人選手に一矢報いた“鬼気迫るプレー”はなぜ実現できたのか?臨床心理士がメンタルを分析
NEWSポストセブン
数年前から表舞台に姿を現わさないことが増えた習近平・国家主席(写真/AFLO)
執拗に日本への攻撃を繰り返す中国、裏にあるのは習近平・国家主席の“焦り”か 健康不安説が指摘されるなか囁かれる「台湾有事」前倒し説
週刊ポスト
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
パーキンソン病であることを公表した美川憲一
《美川憲一が車イスから自ら降り立ち…》12月の復帰ステージは完売、「洞不全症候群」「パーキンソン病」で活動休止中も復帰コンサートに懸ける“特別な想い”【ファンは復帰を待望】 
NEWSポストセブン
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン
海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン