スポーツ

新庄剛志、亡き父が語っていた育て方「植木と同じ、放任だけど剪定も必要」

父・英敏さん(右)が語っていた新庄剛志氏の育て方

父・英敏さん(右)が語っていた新庄剛志氏の育て方

 日本シリーズそっちのけで話題を振りまくのが、日本ハム監督に“電撃就任”した新庄剛志氏だ。ド派手な服装、独特の“新庄節”、確かな野球センス──「宇宙人」と呼ばれる新庄氏の手腕に期待が集まるが、この異端の野球人はどのように育てられたのか。10年前に亡くなった父・英敏さん(享年70)が、本誌・週刊ポストに明かしていた新庄氏の歩みとは。【全3回の3回目】

 * * *
 2004年にメジャーから日本球界に戻ってきた新庄氏が選んだのが日本ハムだった。新庄フィーバーに沸く2004年の沖縄・名護キャンプでは、現地を訪れた父・英敏さんも女性ファンに囲まれ、上機嫌で一緒に写真を撮っていた。

 福岡市の自宅に戻った後に、英敏さんは『週刊ポスト』のインタビューに応じていた(2004年2月20日号掲載)。父から見た息子の剛志は、どのように見えていたのか。

「日本ハムのキャンプに行って、剛志も変わったと思いましたね。パ・リーグに行って落ち込んでいるかと思っていたが、阪神時代より元気でした。阪神時代は人気球団のファンの多さにあぐらをかいて、“なんでオレばかりサインしなければいけないの?”という気持ちでいたのが、日本ハムでは“オレが引っ張っていかないといけない”とチームを盛り上げるためにムード作りをしていますね。メジャーでの3年間が勉強になっている。日本ハムのキャンプでは最後の1人までサインをしていた。お客さんあってのプロ野球というのがわかったのだと思います。あのまま阪神に残っていたら、こういう気持ちを知らずに終わったはず」

 新天地での成長した姿を見て、英敏さんは満足している様子だった。

「日本ハムを選んでくれてよかった。剛志は日本に帰ってきて、巨人を選ぶつもりだった。というのも、私が巨人ファンで、プロ野球選手として巨人でプレーするのが夢だった。それを知っていたので、最後の親孝行のつもりだったんでしょうね。

 でも、私は“巨人と阪神だけはダメだぞ”と言ってやったんです。剛志は驚いていましたが、“巨人や阪神のような人気球団に入れば、また阪神時代のようにダラッとしてしまう。それに巨人に入って阪神戦でホームランを打ったら、阪神ファンに殺されるぞ。おまえは阪神で育ててもらった。阪神ファンを敵に回してはダメだ”と伝えました。その後、電話は掛かって来ませんでしたが、日本ハムを選んでくれた」

 北海道に本拠地を移転したばかりの日本ハムでは、数々のパフォーマンスでファンを沸かせ、2006年に日本一に輝くと、ユニフォームを脱いだ。

関連記事

トピックス

(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
列車の冷房送風口下は取り合い(写真提供/イメージマート)
《クーラーの温度設定で意見が真っ二つ》電車内で「寒暖差で体調崩すので弱冷房車」派がいる一方で、”送風口下の取り合い”を続ける汗かき男性は「なぜ”強冷房車”がないのか」と求める
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
「舌出し失神KO勝ち」から42年後の真実(撮影=木村盛綱/AFLO)
【追悼ハルク・ホーガン】無名のミュージシャンが「プロレスラーになりたい」と長州力を訪問 最大の転機となったアントニオ猪木との出会い
週刊ポスト
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン
話題を集めた佳子さま着用の水玉ワンピース(写真/共同通信社)
《夏らしくてとても爽やかとSNSで絶賛》佳子さま“何年も同じ水玉ワンピースを着回し”で体現する「皇室の伝統的な精神」
週刊ポスト
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
《駆除個体は名物熊“岩尾別の母さん”》地元で評判の「大人しいクマ」が人を襲ったワケ「現場は“アリの巣が沢山出来る”ヒヤリハット地点だった」【羅臼岳ヒグマ死亡事故】
NEWSポストセブン
真美子さんが信頼を寄せる大谷翔平の代理人・ネズ・バレロ氏(時事通信)
《“訴訟でモヤモヤ”の真美子さん》スゴ腕代理人・バレロ氏に寄せる“全幅の信頼”「スイートルームにも家族で同伴」【大谷翔平のハワイ別荘訴訟騒動】
NEWSポストセブン
中居正広氏の騒動はどこに帰着するのか
《中居正広氏のトラブル事案はなぜ刑事事件にならないのか》示談内容に「刑事告訴しない」条項が盛り込まれている可能性も 示談破棄なら状況変化も
週刊ポスト