アラフォーの夢を詰め込んだ設定
ドラマ放送前、“主演・江口のりこ”というパワーワードに惹かれていて、『SUPER RICH』の情報があまり頭に入っていなかった。それでは……と放送スタートから見ていると、良い意味でミーハーな作品だと思う。
深夜ドラマで人気を博し、来春の映画化まで決定した『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(テレビ東京系、2020年)に出演の赤楚衛二さんと町田啓太さんを起用。『花より男子』(TBS系、2005年〜)の特別出演を思わせる、松嶋菜々子さんのボスキャスティング。それから第7話の放送では、江口さん演じる氷河衛が白無垢姿で公道を突っ走る場面が、『ロングバケーション』(フジテレビ系、1996年)を彷彿させた。こんな要素が並んでいると、やはり飛びつきやすいし、わかりやすい。
私のように365日テレビドラマを欠かさないオタクからすると「?」という部分もあるが、それでもなぜ、毎週飽きもせずに見るかと言えば、アラフォーの夢を詰め込んだ設定だから。
江口さん演じる氷河衛は出版社を経営する敏腕社長としてスタートしたのに、仲間の裏切りによって会社は大きなピンチに。数人のスタッフだけを抱えて、再スタートをするところから物語は始まった。ビジネスにまつわるストーリーはさておき、衛は2人の年下男子から求愛される。それが春野優(赤楚)と宮村空(町田)だ。
江口のりこの関西弁の向こうにブルースが聞こえる
結果的に衛は11歳年下の春野を選んだ。第7話で優から結婚の申し込みをされると「そうきたか〜!」と反応するシーンは、本当に江口さんらしく爽快そのもの。子犬のように可愛い優から愛されて、結婚話を持ち込まれたら、私なら尻尾を振ってすぐに承諾する。なんなら気が変わらないうちに婚姻届をもらいにいく。