糖尿病治療薬のうち、「服用することで頻尿に困っている人が多い」(長澤氏)のが、近年登場したSGLT2阻害薬だ。
「血糖を下げるために、尿の素である原尿からの糖の再吸収をストップさせ、尿と一緒に排出させるのがSGLT2阻害薬です。糖とともに水分も排泄されるので、副作用として頻尿があるのだと考えられます」(長澤氏)
前出・一石医師は、「『薬を飲み始めてから症状が出た』と感じた場合は、まずかかりつけ医や薬剤師に相談を」と助言する。
「飲んでいる薬の添付文書を調べて副作用の欄に自分の症状を見つけたら、医師に言いづらくても薬の変更について相談すべきです。
それでも医師が『歳のせいでは』と済ませてしまうようなら、専任の薬剤師が一般の方からの質問や相談を受け付けるPMDAや薬剤師会の〈くすり相談窓口〉に電話しましょう」
副作用が疑われたら、自己判断で服用をやめたりせず、まずは相談できる専門家へのアプローチを試みたい。
※週刊ポスト2021年12月10日号