金利上昇リスクが増大する「変動金利型」
利用する住宅ローンの金利タイプによっては、金利上昇によるリスクも考えておかなければならない。
住宅ローンの金利タイプには、借入後に市中の金利が上がると、適用金利も上がって返済額増える「変動金利型」、一定期間のみ金利が固定しているが、その後は金利が上がる可能性のある「固定金利期間選択型」、借入時の金利が完済まで確定している「全期間固定金利型」がある。
金利水準は変動金利型が最も低く、全期間固定金利型が高いが、最近では金利の先高感が薄れているところから、変動金利型を利用する人が多い。各種の調査をみても、7割から8割が変動金利型になっている。
東京都心近くで新築マンションを買う場合、2021年度上半期の平均価格8686万円のうち8000万円のローンを組むケースを想定すると、金利タイプ別の返済額は以下のようになる。
【借入額8000万円の資金計画の例】
(設定条件:35年元利均等返済・ボーナス返済なし、世帯年収1400万円)
(1)変動金利型
金利/0.375%、毎月返済額/20万3279円、返済負担率/17.4%
(2)固定金利期間選択型
金利/0.65%、毎月返済額/21万3015円、返済負担率/18.3%
(3)全期間固定金利型
金利/1.08%、毎月返済額/22万8823円、返済負担率/19.6%
みずほ銀行の2021年11月の金利で試算すると、1.08%の全期間固定金利型なら毎月返済額は22万8823円が、変動金利型だと20万3279円に、2万5544円も負担が少なくなるのだから、変動金利型の人気が高いのも当然かもしれない。