「だって百恵さん、教室の友達に教えてもらうまで、電車の乗り方を知らなかったんですから(笑い)。その頃からもう30年以上。もちろん飾らない彼女の性格があってのことですが、ここまで長く友人関係が続くというのは本当にうれしいこと。還暦を過ぎるとそういった友人のありがたみが身にしみますよね。百恵さんもそうだと思う。このような出会いをつくってくれたキルトに心から感謝していると思います。
子供たちが独立し、友和さんのご両親の介護が一段落した後も百恵さんがずっと同じ場所に住み続けているのは、通い続けたキルトの教室が近くにあるということも大きな理由だと思います」(前出・百恵さんの知人)
では、百恵さんが現在取り組んでいる「新作」はどんなものなのか。今年10月、長男で歌手の三浦祐太朗(37才)が来年3月にパパになることが明らかになった。百恵さんにとっては待望の初孫である。
「百恵さんは以前、友和さんのお姉さんに赤ちゃんが生まれたとき、赤ちゃんの名前と誕生日が縫い込まれた、手の込んだキルトのおくるみをプレゼントしました。いまはお孫さんのために心を込めて大作作りに励んでいるのでは」(前出・百恵さんの知人)
今回、展示会に出品された作品は『時間の花束』にも掲載されており、そこには百恵さんのこんな言葉が添えられている。
《3.11の大震災のとき、終わりの見えない不安な心を抑えてくれたのは、針仕事でした。自分の無力を痛感しながら、どうか一刻も早い復興をと祈っていました》
いま、人々はコロナ禍で、目に見えない敵と闘いながら不安な日々を過ごしている。
「百恵さんにとって、この作品はまさに祈り。30年以上もかけがえのない、心に逆らうことのない“莫逆の友”であるキルトのために、友人たちのために、そして生まれてくる孫への祈りも込めてこの渾身作を出品されたんでしょう」(前出・手芸イベント関係者)
彼女は今日も、誰かへの深い思いを胸に、1つずつ針を進めている──。
※女性セブン2021年12月16日号