西川に『7』を与えるとなれば、背番号の持つ歴史を重視してきた原辰徳監督らしくないという声も出るかもしれない。左のエースである内海哲也の『26』は2020年に高橋優貴、2021年には今村信貴と期待する同じ左腕に付けさせた。高橋は今年、工藤公康や山口鉄也という左の大投手が背負った『47』に代わった。
「原監督は第2次政権の時から背番号が選手に与える影響を考えて、頻繁にシャッフルを繰り返してきました。4位になった2006年オフには過去最多となる23人もの背番号を入れ替えた。大型投手への成長を願った西村健太朗は『23』から江川卓の『30』、亀井義行は『25』から淡口憲治や清水隆行という左打者の巧打者の『35』に変わり、いずれも飛躍しました」
一方で、FAで移籍してきた選手には現役時代の自分の背番号を授けることを口説き文句の1つとしてきた。
「巨人の『8』は初代の水原茂に始まり、“逆シングル”の白石敏男、“塀際の魔術師”と呼ばれた高田繁、そして原辰徳、仁志敏久と生え抜きのスターがつけてきましたが、2007年からはオリックスからトレードできた谷佳知、2014年からは西武からFA移籍の片岡治大、2019年からは広島からFA移籍の丸佳浩が付けています。生え抜きでない選手であっても、チームに欠かせない戦力として評価しているというメッセージが込められているのではないでしょうか」
全権を掌握すると言われる原辰徳監督。もし西川を獲得できた場合、背番号をどうするか。