多くの騎手が「アドマイヤ」で勝ってきた(時事通信フォト)

武豊騎手の手綱さばきに注目(時事通信フォト)

「アイドル佐野量子」は、ほんわかした魅力で確かにピンクのワンピースが似合いそうなイメージがあった。武豊騎手との結婚時に報じられたところによれば、二人が初めて出会ったのは1988年6月に量子さんが中京競馬場のイベントにゲストとして出演した時だという。すぐに交際が始まったわけではないというが、ピンクノワンピースのデビュー時にはすでに出会っていた。ということは、この馬名に何か感じるものがあったかもしれない。

 なお、武豊騎手はピンクノワンピースとシンボリルドルフの間に生まれた子ノボビッグワンに騎乗して初勝利に貢献している。また、リンドシェーバーとの間に生まれたメイショウムネノリが皐月賞に出た時の鞍上は、ウォーターナビレラの調教師・武幸四郎騎手。二人ともとくに意識してはいないと言うが、この馬でGIを取ったりすれば、やはり馬と人との縁を実感してしまう。

 ウォーターナビレラの父シルバーステートは今年の新種牡馬。ファーストシーズンサイヤーランキングではドレフォンに次いで2位だが、ここでGⅠ馬を送り出せば、ディープインパクトの後継種牡馬として一気に名を上げる。重賞未勝利の種牡馬がGⅠ馬を送り出すというのも競馬の持つ奥深さだ。3戦3勝、前走ファンタジーS組はここ10年で3勝。母の父としてブレイク中キングヘイローの後押しもある。

 武豊騎手といえばG1未勝利レースとして次週の朝日杯ばかりが取り上げられるが、このレースも1994年にヤマニンパラダイスで勝ったのが最後。ピンクノワンピースのデビューから33年、GⅠに出てきたひ孫に乗ってウイニングランをするところを見てみたい。

●ひがしだ・かずみ/伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。

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