だが、寄付金減少に危機感を募らせ、「寄付より納税」を求める声も出始めるのではないか。天理市選出の奈良県議・岩田国夫氏が話す。
「都市計画も整備されてきたこともあり、これまでのように天理教の提示する寄付をそのまま受領する関係性は時代にそぐわない。市長には『現状は非課税の宗教施設であっても、課税対象に見受けられるものを市が精査し、その精査に基づいて寄付金について協議を重ねることが必要』と提案してきました」
寄付額がゼロになる可能性を天理教の渉外広報課に確認すると、「お答えは控えたい」とするのみだった。宗教都市の市政が、曲がり角にある。
取材・文/柳川悠二(ノンフィクションライター)
※週刊ポスト2021年12月24日号