スポーツ

ライコネンがF1引退 日本人はなぜ「アイスマン」を愛したのか

アルファロメオでの最終戦はリタイアに終わった(dpa/時事通信フォト)

アルファロメオでの最終戦はリタイアに終わったがファンはその走りを支持した(dpa/時事通信フォト)

 2021年のF1は奇跡のような最終戦で激動のシーズンを締めくくった。このレースで「ドライバー・オブ・ザ・デイ」に選ばれたのは、引退レースとなるキミ・ライコネンだった。42歳の現役最年長ドライバーはなぜこれほどファンに愛されたのか。F1を追い続けるライター・砂田明子氏が指摘した。

 * * *

「容姿端麗」で男性ファンも多かった

 レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンがラスト1周で勝利をもぎ取り、チャンピオンに輝いた今年のラストレース。ファン投票による「ドライバー・オブ・ザ・デイ」にはキミ・ライコネンが選ばれた。チャンピオン争いに注目が集まる一方で、42歳の現役最年長ドライバーの引退レースを世界中の多くのファンが惜しみながら見守ったということだろう。個人的にはフェルスタッペンをこれ以上ないほど予選からアシストしたぺレスでもよかったと思うが、ファンが選んだのはライコネンだった。本当に愛されたドライバーだった。

 かくいう私も、20年来のライコネンファンである。

「どうせ顔でしょ?」

 私がF1ファンでライコネン推しだと表明すると、こういう反応をする人はいた。

 この反応はある意味正しい。だってライコネンは美しいから。しかし、ある意味で正しくない。顔以上に、惹きつけられる理由があるからだ。ライコネンには男性ファンも多いし、今回のドライバー・オブ・ザ・デイが示すように、世界中にファンはいる。母国フィンランドでは英雄で、ライコネンの自伝(『知られざるキミ・ライコネン』)は人口550万人の国で20万部売れたという。

妻のミントゥ・ヴィルタネンさん、長男のロビンくん、長女のリアナちゃんとともに(dpa/時事通信フォト)

妻のミントゥ・ヴィルタネンさん、長男のロビンくん、長女のリアナちゃんとともに(dpa/時事通信フォト)

 ライコネンの魅力の一つは、言うまでもないことだが、その速さだ。2002年にマクラーレンに移籍した時、まずその純粋な速さに魅せられて、私はライコネン推しになった。2003年には皇帝ミハエル・シューマッハを2ポイント差まで追い詰め、2005年にはチャンピオンになったフェルナンド・アロンソと並ぶ勝利数を挙げている。2007年、フェラーリへの移籍一年目で初戴冠。

 17位からスタートし、ファイナルラップの1コーナーでフィジケラをアウトからオーバーテイクして勝った2005年の鈴鹿グランプリを、ライコネンのベストレースに挙げるファンは多い。現地で目撃した私からすれば、あれを見て彼の虜にならないのは難しいと思う。日本人ファンの心をがっちりと掴んだ瞬間だった。

関連記事

トピックス

“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト
『あんぱん』“豪ちゃん”役の細田佳央太(写真提供/NHK)
『あんぱん』“豪ちゃん”役・細田佳央太が明かす河合優実への絶対的な信頼 「蘭子さんには前を向いて自分の幸せを第一にしてほしい。豪もきっとそう思ったはず」
週刊ポスト
韓国アイドルグループ・aespaのメンバー、WINTERのボディーガードが話題に(時事通信フォト)
《NYファッションショーが騒然》aespa・ウィンターの後ろにピッタリ…ボディーガードと誤解された“ハリウッド俳優風のオトコ”の「正体」
NEWSポストセブン
「第65回海外日系人大会」に出席された秋篠宮ご夫妻(2025年9月17日、撮影/小倉雄一郎)
《パールで華やかさも》紀子さま、色とデザインで秋を“演出”するワンピースをお召しに 日系人らとご交流
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(左/共同通信、右/公式サイトより※現在は削除済み)
《“やる気スイッチ”塾でわいせつ行為》「バカ息子です」母親が明かした、3浪、大学中退、27歳で婚約破棄…わいせつ塾講師(45)が味わった“大きな挫折
NEWSポストセブン
池田被告と事故現場
《飲酒運転で19歳の女性受験生が死亡》懲役12年に遺族は「短すぎる…」容疑者男性(35)は「学校で目立つ存在」「BARでマジック披露」父親が語っていた“息子の素顔”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
NEWSポストセブン