芸能

世良公則、宇崎竜童 昭和ロックミュージシャン“泣かせる親父”の魅力

世良公則

『カムカムエヴリバディ』での演技が好評の世良公則(公式HPより)

 NHKドラマで、昭和時代に席巻した2人のロックミュージシャンが存在感を出している。世良公則(66才)と宇崎竜童(75才)だ。2人の役者としての魅力についてコラムニストのペリー荻野さんが解説する。

 * * *
 今年のクリスマスシーズンは、ふたりの昭和ロック親父ふたりに泣かされた。

 ひとりは、世良公則。演じているのは、朝ドラ『カムカムエヴリバディ』で、一人目のヒロイン・安子(上白石萌音)が、夫となる雉真稔(松村北斗)とたびたびデートした喫茶「Dippermouth Blues」のマスター・柳沢定一役だ。

 敗戦後、再び店を開いた定一は、進駐軍のクラブに日本人のバンドマンたちを送り込んでいる。クリスマス直前、将校クラブでバンドが演奏中、ステージに乱入した定一は、安子の目の前で、彼女と稔の思い出の歌『On the Sunny Side of the Street』を歌いだす。

 もうひとりは、宇崎竜童。宇崎は、よるドラ『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』で、阿佐ヶ谷姉妹(木村多江、安藤玉恵)がしばしば通う中華屋の大将・村野役だ。のほほんとしている阿佐ヶ谷姉妹は、いつも明るい村野の妻の孝代(いしのようこ)に励まされていたが、ある日、姉妹は孝代が亡くなったことを知る。店を訪ねた二人に、ふだん無口だった村野が、孝代への思いと深い悲しみを語り、涙を見せるのである。

 世良公則が、ツイストでヒットを飛ばし、大暴れしていた時代、宇崎竜童が、リーゼントにサングラス、つなぎ姿のダウン・タウン・ブギウギ・バンドで歌番組にも出ていた時代を知る世代としては、ふたりがこうして年を重ねて、存在感を見せてくれることに感動する。当時を知らない世代も「このおやじには何かある」と感じたことと思う。

関連キーワード

関連記事

トピックス

公選法違反の疑いで刑事告訴され、書類送検された斎藤知事(左:時事通信フォト)と折田楓氏(右:本人SNS)
“公選法違反疑惑”「メルチュ」折田楓氏の名前が行政SNS事業から消えていた  広島市の担当者が明かした“入札のウラ側”《過去には5年連続コンペ落札》
NEWSポストセブン
コンサートでは歌唱当時の衣装、振り付けを再現
南野陽子デビュー40周年記念ツアー初日に密着 当時の衣装と振り付けを再現「初めて曲を聞いた当時の思い出を重ねながら見ていただけると嬉しいです」
週刊ポスト
”薬物密輸”の疑いで逮捕された君島かれん容疑者(本人SNSより)
《28歳ギャルダンサーに“ケタミン密輸”疑い》SNSフォロワー10万人超えの君島かれん容疑者が逮捕 吐露していた“過去の過ち”「ガンジャで捕まりたかったな…」
NEWSポストセブン
中居正広氏の近況は(時事通信フォト)
反論を続ける中居正広氏に“体調不良説” 関係者が「確認事項などで連絡してもなかなか反応が得られない」と明かす
週刊ポスト
スーパー「ライフ」製品が回収の騒動に発展(左は「ライフ」ホームページより、みぎはSNSより)
《全店舗で販売中止》「カビだらけで絶句…」スーパー「ライフ」自社ブランドのレトルトご飯「開封動画」が物議、本社が回答「念のため当該商品の販売を中止し、撤去いたしました」
NEWSポストセブン
「地面師たち」からの獄中手記をスクープ入手
「全てを話せば当然、有罪となっていたでしょう」不起訴になった大物地面師が55億円詐欺「積水ハウス事件」の裏側を告白 浮かび上がった“本当の黒幕”の存在
週刊ポスト
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《大谷翔平が“帰宅報告”投稿》真美子さん「娘のベビーカーを押して夫の試合観戦」…愛娘を抱いて夫婦を見守る「絶対的な味方」の存在
NEWSポストセブン
「お笑い米軍基地」が挑んだ新作コント「シュウダン・ジケツ」(撮影/西野嘉憲)
沖縄のコント集団「お笑い米軍基地」が戦後80年で世に問うた新作コント「シュウダン・ジケツ」にかける思い 主宰・まーちゃんが語る「戦争にツッコミを入れないと」
NEWSポストセブン
令和最強のグラビア女王・えなこ
令和最強のグラビア女王・えなこ 「表紙掲載」と「次の目標」への思いを語る
NEWSポストセブン
“地中海の楽園”マルタで公務員がコカインを使用していたことが発覚した(右の写真はサンプルです)
公務員のコカイン動画が大炎上…ワーホリ解禁の“地中海の楽園”マルタで蔓延する「ドラッグ地獄」の実態「ハードドラッグも規制がゆるい」
NEWSポストセブン
『週刊ポスト』8月4日発売号で撮り下ろしグラビアに挑戦
渡邊渚さん、撮り下ろしグラビアに挑戦「撮られることにも慣れてきたような気がします」、今後は執筆業に注力「この夏は色んなことを体験して、これから書く文章にも活かしたいです」
週刊ポスト
強制送還のためニノイ・アキノ国際空港に移送された渡辺優樹、小島智信両容疑者を乗せて飛行機の下に向かう車両(2023年撮影、時事通信フォト)
【ルフィの一味は実は反目し合っていた】広域強盗事件の裁判で明かされた「本当の関係」 日本の実行役に報酬を支払わなかったとのエピソードも
NEWSポストセブン