自民党事務局で政務調査会室長や調査役を歴任し、長年、政策立案の実務を担ってきた政治評論家の田村重信氏は河野氏を推す理由をこう語る。
「日本の停滞感をいかに解消するかがこれからの総理に求められる資質。先の総裁選で突破力、発信力を国民に示した河野氏には期待感がある」
一方、元テレビ朝日政治部長でジャーナリストの末延吉正氏はこう苦言を呈す。
「ポピュリスト色が強く、基本政策がコロコロ変わる。脱原発にしても女系天皇容認にしても、国政に大きな影響を与えるテーマであんなに意見を変えてしまう姿勢を見ると、総理にするのは怖い」
それ以上に高評価と低評価の両極端に意見が割れたのが高市氏だ。
「保守本流としてしっかり国家観、世界観を持っている。それに加えて、今回の総裁選で天皇制や靖国参拝をしっかり説明していたのは高市氏だけ。国家観とそれを国民に説明する能力を兼ね備えている」(屋山氏)
「彼女は言葉の端々に、権力を使って国民の思想・信条を制度で縛ろうという意思を感じる。政策通で弁も立つし、知名度も上がり、国民の人気も高まっている。だが、総理の権力の大きさを考えると、全体主義的思考が見える人物は危険だと思う」(政治ジャーナリスト・藤本順一氏)
前出の小林氏は、「女性総理」候補の高市氏と野田氏を比較してこう指摘した。
「現在の社会は女性のリーダーが求められ、海外では次々に誕生している。日本の有力な女性総理候補に高市氏と野田氏がいるが、高市氏は安倍元首相のバックアップあっての総裁候補で自立していない。その点、過去3回総裁選に挑もうと自ら汗をかいてきた野田氏のほうが女性のトップ候補と考えます」
そのあたりがランキングに反映されたようだ。
※評者は有馬晴海氏、泉宏氏、伊藤惇夫氏、角谷浩一氏、小林吉弥氏、末延吉正氏、田中良紹氏、田村重信氏、藤本順一氏、野上忠興氏、屋山太郎氏(五十音順)の11人。点数は、「ポスト岸田」に推せる政治家は1~3点で付けてもらい、推せない政治家の場合は-1点とした。同点の場合は、+の点数が高い政治家を上位とした。
※週刊ポスト2022年1月1・7日号