JRA重賞はGI26勝を含む129勝

JRA重賞はGI26勝を含む129勝

 藤沢和雄厩舎のSS産駒バブルガムフェローは1995年暮れの朝日杯3歳(現2歳)ステークスを勝ち、春のスプリングステークスも勝ってクラシック戦線の主役でしたが皐月賞前に骨折が判明。休養して秋に備えることになりました。3歳牡馬ならば、秋の目標は菊花賞というのが当たり前の時代に、藤沢先生が目標に据えたのは古馬一線級と走る天皇賞(秋)でした。

 デビューからずっと乗っていた岡部幸雄騎手が、同じ日に行なわれるアメリカのブリーダーズカップに、藤沢厩舎のタイキブリザードで参戦、それで僕に依頼がきたのです。

 このレースは有馬記念などGIを3勝もしているマヤノトップガン、春の天皇賞を勝ったサクラローレル、すべて武豊騎手が乗ってここまで9戦8勝というマーベラスサンデーなど錚々たるメンバーでしたが、バブルガムフェローは直線での叩き合いを制して勝つことができました。僕にとって、初めてのGI勝利です。

 SS産駒ではこの後、マンハッタンカフェ(3勝)とマツリダゴッホでGIを勝たせてもらいました。またステイゴールドやフジキセキ、そしてディープインパクトなどSS産駒の子供でもGIを9勝。本当にお世話になりました。

【プロフィール】
蛯名正義(えびな・まさよし)/1987年の騎手デビューから34年間でJRA重賞はGI26勝を含む129勝、通算2541勝。エルコンドルパサーとナカヤマフェスタでフランス凱旋門賞2着など海外でも活躍、2010年にはアパパネで牝馬三冠も達成した。今年2月で騎手を引退、来年3月に52歳の新人調教師として再スタートする予定。

※週刊ポスト2022年1月1・7日号

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