地図上にさされたピンをクリックすると「歩行者の邪魔になっても知らん顔」など”道路族”の詳細が書き込まれている

地図上にさされたピンをクリックすると「歩行者の邪魔になっても知らん顔」など”道路族”の詳細が書き込まれている

「道路族マップ」は法的に問題がないのか? インターネット問題に詳しい貞永憲佑弁護士は、「法律上、即違法にはならないと考えます」と見解を示した。

「『小学○年生くらいの兄弟』や『バスケットゴールが設置された家』など個人が特定できたり、場所や特徴が具体的すぎるような内容、『クソガキ』のような侮辱めいた書込みや、特定のマンション・土地の財産的価値を下げるような書込みは、名誉毀損罪や侮辱罪などに問われたり、損害賠償請求を受ける可能性があります。ただし、書き込んだ本人だけでなく、『道路族マップ』まで罪に該当するかと言われると微妙なラインです。

 マンションの使い勝手などについて口コミで共有する『マンションノート』や『マンションコミュニティ』というサイトがありますが、こちらはサイトの存在自体は問題になってきませんでした。あくまで個人を特定できない範囲での物件に関する情報だからです。一方、『破産者マップ』は完全に個人情報を取り扱っているので大きな問題となりました。『道路族マップ』は、そのふたつの事例のあいだにあると言えるかもしれません。

 個人が特定できるような書込みが横行し、わかった上で放置していたとか、そのような書き込み行為を煽るような運営がされていると、プラットフォームとしての社会的責任や法的責任が問われたり、行政指導を受けることがありえるでしょう。ですが、個人を特定できるような書込みが利用規約ではっきり禁止されており、きちんとした管理体制や書き込める内容の制限が存在したなら、『道路族マップ』自体を罪に問うことは難しいのではないでしょうか。管理体制がどれだけ機能しているかがポイントなので、批判的な書き込みを連想させる『道路族マップ』という名前自体は議論の余地があるように思いますが、地域の情報を記載するというコンセプト自体が違法ということにはならないと考えます」(貞永弁護士)

「道路族マップ」管理人であるseaget氏に、名誉毀損や個人が特定されるリスクについて、どのような考えのもとサイトを運営しているのか問い合わせた。

「『誰が』やっているかという情報は一切不要であり、『どこで・どんな』危険行為や迷惑行為が恒常的に行われているかのみを取り扱っております。家屋を指していたり、個人を特定可能な情報(性別・年齢・家族構成などの他、家屋や車・ユニフォームなどの特徴)については一切排除して掲載するようにしています」(seaget氏、以下同)

 あくまで管理人としては、特定個人を対象とするような内容は許容しないスタンスらしい。実はseaget氏自身にも道路族に悩まされた経験がある。

「自分も含めて次に引っ越すときに、道路族がいる場所は二度と住みたくないし、同じように思っている人が大勢いるならば解決できない場所を共有して、ちょっとでも避けるための材料にしたいと考えたのが『道路族マップ』を作ったきっかけです。

 達成したいのは、道路族問題と呼ばれる物そのものの解消です。自分は道路族とは、親が子どもにさせる、あるいは親が直接的に嫌がらせやイジメに及ぶ“ご近所ハラスメント”だと考えています。立ち小便、タバコのポイ捨て、犬のフンの放置が許されなくなったように、セクハラという言葉が生まれて社会の意識変革が迫られたように、道路族問題もまた時代とともになくせる紛争だと思っています。『道路族マップ』がその一助になればと願っています」

 少子化に歯止めがかからない日本。住民同士がギスギスするのは、誰にとっても幸せなことではない。必要なのは、子どもがのびのびと遊べる場所が増えることだろう。

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