昇太の口から「桂宮治」と発表された。これは文句なし。とびっきりの面白さにアドリブ力。どんな高座でもこの噺家がすべっているのを見たことがない。ひとつ難点があるとすれば、カメラをドーンと引いて写すと髪型から何からたい平と同じ。影絵にしたり正楽に紙切りで切ってもらったりすればそのフォルムは宮治、たい平、そして小朝にゴルゴ松本(命!! をやる人)、全員同じ。
化粧品のセールスマンで話術を磨き、売り上げのトップ中のトップ。神田伯山らと若手ユニット「成金」で若い客をガッチリつかみ、昨年2月には真打昇進。若手にきくと「なにしろスーパー前座だった。気がまわる、動く、噺は面白い。明るい。本当に文句なしの噺家です」。
ほとんど周りのお爺ちゃん達はボケかかっちゃってるので若きパワーで『笑点』の寿命をまた10年延ばして下さい。
イラスト/佐野文二郎
※週刊ポスト2022年1月28日号