(写真/渡辺さん提供)

本物は画面表示に日本語はなく、メーカーのロゴも一目で確認できる(写真/渡辺さん提供)

 なかでも際立ったのは、渡辺さん自身も体験した、「ソプラノチタニウム」をめぐるトラブルだった。

「1台1300万円もするソプラノチタニウムを使う施術を売りにしながら、実際には20万円ほどの超格安マシンを使っているクリニックが散見されました」(渡辺さん)

 本物のソプラノチタニウムはイスラエルの「アルマレーザー社」の製品で、波長の異なる3種類のレーザー光線をブレンドして照射し、ムラのない高い脱毛力をほこる。

「“偽物”は中国製が多く、照射するレーザー光線が1種類のため効果が薄い。それをカバーするためなのかレーザーの出力値であるジュールはソプラノチタニウムが8~10ジュールなのに対し、偽物は80~150ジュールと明らかに出力が大きすぎます。

 でも本来、3種類のレーザーで効果を発揮するものなので、いくら1種類だけ強くても、脱毛効果は低いようなんです。また、偽物は冷却装置が冷たすぎるため、凍傷被害も報告されています」(渡辺さん)

 実際に被害に遭った金田真由美さん(35才・会社員)が証言する。

「産毛にも効果があると説得されて申し込んだ半年コースで9回の施術を終えました。でも、脱毛効果はほとんどなく、腕や背中、太ももなどもともと毛が濃くない部位は産毛が生えそろっています。クリニックに抗議しても『効果には個人差がある』の一点張りです」

 別の被害女性、関口志乃さん(48才・パート)はこう言う。

「顔の産毛の処理をする際、事前にスタッフから『ソプラノチタニウムで施術する』と説明されましたが、脱毛効果が感じられませんでした。機械のヘッドの部分がすごく冷たく、おでこに真っ赤な凍傷ができました」

 関口さんは渡辺さんのツイッターを見て、使用された機械が偽物であることを確信。昨年12月にクリニックを問い詰めた。

「『純正ではなく中国から取り入れた機械だが効果は同等』との説明がありました。その後、経緯や内容をSNSなどで口外しないという機密保持契約書にサインさせられて、それから施術費用を全額返金されました。お金を返したということは、クリニックに後ろめたさがあったのでしょうね……」(関口さん)

 その後、そのクリニックのホームページからは「ソプラノチタニウムを使用」の文字が消えたという。

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