余裕で3人前はある。さらに盤側にはバナナが大量に置かれ、栄養補給の対策は万全だった。
後日、永瀬に尋ねると、「初海外でどんなものが出てくるかわからないので多めに注文した。たくさん頼めば、食べられるものが出てくる可能性が上がります」。そういえば昨年の王座戦第1局で、「食べたことのないものは対局では頼みません。ナポリタンとか」と語っていたのを思い出す。
永瀬にとって関心があるのは、将棋への集中だけ。それ以外のすべては些事にすぎないのである。
取材・文/大川慎太郎(将棋観戦記者)
※週刊ポスト2022年2月4日号