厩舎の調教師らと騎手の関係は、一筋縄ではいかないところがある。ある調教師はこう話す。
「佐々木騎手が所属していた新子厩舎は優秀でここ7年で6度の年間リーディングトレーナー賞に輝いており、その実績に裏打ちされた調教師の騎手への指導も厳しい。勝ったレースでもコース取りを指導されることも少なくない。この世界は勝てる調教師のもとにいい馬が集まる。いい馬に乗せてもらうので騎手も勝てる。佐々木騎手の新人記録も実績ある厩舎に所属していてこその部分があるのは間違いありません。このご時世、厳しい指導を若手がどう受け止めるかという問題は難しいですが、新子厩舎を離れて、佐々木騎手がどれだけ実績を残せるかは未知数でしょう」
昨年の兵庫県競馬組合のリーディングトレーナー1位は新子雅司調教師(103勝、勝率28.1%、連対率43.7%)で、移籍した中塚猛調教師は36位(25勝、勝率8.2%、連対率16.3%)。2年目のジンクスを突破できるのか。復帰時期は発表されていないが、佐々木騎手の真価が問われる1年となりそうだ。