芸能

伝説の石原軍団 社長・裕次郎さんが倒れたことでより強まった結束力

軍団のステージが変わるきっかけに(1981年裕次郎の手術結果を報告する渡と小林正彦専務。写真/共同通信社)

軍団のステージが変わるきっかけに(1981年裕次郎の手術結果を報告する渡と小林正彦専務。写真/共同通信社)

 大スター・石原裕次郎が芸能界で作った伝説のひとつが、今なお語り継がれる「石原軍団」の鉄の結束であろう。

 国民的スターとなった石原裕次郎が1962年に石原プロモーションを旗揚げしてからしばらくは、『黒部の太陽』(1968年)や『栄光への5000キロ』(1969年)の大ヒットで景気がよかったが、1970年代に入ると映画産業の斜陽化とともに大きな負債を抱え、倒産寸前に追い込まれていた。だが、テレビドラマに進出した石原プロは、『太陽にほえろ!』(日本テレビ系、1972~1986年)や『大都会』(日本テレビ系、1976年)など、ド派手なアクション路線で人気を博し、苦境を脱する。

 そして『西部警察』(テレビ朝日系、1979年)で、その人気は頂点を極めた。

 裕次郎演じる西部警察署の捜査課長・木暮謙三と渡演じる刑事のリーダー・大門圭介を中心に繰り広げられる人間ドラマと爆破やカーチェイスに、視聴者は釘付けになった。「使用した火薬4.8トン」「壊した車両4680台」「飛ばしたヘリコプター600機」「始末書45枚」という数々の伝説を生んだ。

 PARTIの途中から最終話まで刑事ジョー役で出演した御木裕氏が語る。

「もともと石原慎太郎さんと知り合いだった縁で、20歳で石原プロに入って右も左も分からぬまま『西部警察』で役者デビューしました。

 撮影現場では、渡さんが来ると良い意味で現場の空気がピリッと引き締まり、裕次郎さんが現われるとみんながイキイキと動き出す。渡さんがロケの宿泊先でみんなを集めて『正座しろ』みたいなこともあったけど、そういう体育会系なところもみんなで楽しんでいました。裕次郎さんと渡さんを中心とする結束の固さが、作品の魅力を生み出したんだと思う」

 だが、『西部警察』のロケ中だった1981年4月に大事件が発生する。裕次郎が解離性大動脈瘤で倒れ、緊急入院したのだ。

「もし、最悪の事態になったら、私も連れていってもらいたい。石原に殉じたい気持ちです」

 ワイドショーに出演した渡は涙ながらにそう語った。

関連キーワード

関連記事

トピックス

連続強盗の指示役とみられる今村磨人(左)、藤田聖也(右)両容疑者。移送前、フィリピン・マニラ首都圏のビクタン収容所[フィリピン法務省提供](AFP=時事)
《ルフィ事件》「腕を切り落とせ」恐怖の制裁証言も…「藤田は今村のビジネスを全部奪おうとしていた」「小島は組織のナンバー2だった」指示役らの裁判での“攻防戦”
NEWSポストセブン
モンゴルを公式訪問された天皇皇后両陛下(2025年7月12日、撮影/横田紋子)
《麗しのロイヤルブルー》雅子さま、ファッションで示した現地への“敬意” 専門家が絶賛「ロイヤルファミリーとしての矜持を感じた」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
三原じゅん子氏に浮上した暴力団関係者との交遊疑惑(写真/共同通信社)
《党内からも退陣要求噴出》窮地の石破首相が恐れる閣僚スキャンダル 三原じゅん子・こども政策担当相に暴力団関係者との“交遊疑惑”発覚
週刊ポスト
ツアーに本格復帰しているものの…(左から小林夢果、川崎春花、阿部未悠/時事通信フォト)
《トリプルボギー不倫》川崎春花、小林夢果、阿部未悠のプロ3人にゴルフの成績で “明暗” 「禊を済ませた川崎が苦戦しているのに…」の声も
週刊ポスト
兄・輝星と仕草も容貌も瓜二つの吉田大輝
金足農業・吉田大輝「甲子園で優勝して、兄・輝星を超えたい」決意 顔も仕草も瓜二つだが、「まるで違う」と父が明かす2人の性格
週刊ポスト
山本アナは2016年にTBSに入局。現在は『報道特集』のメインキャスターを務める(TBSホームページより)
【「報道特集」での発言を直撃取材】TBS山本恵里伽アナが見せた“異変” 記者の間では「神対応の人」と話題
NEWSポストセブン
解散を発表したTOKIO(HPより)
「城島さん、松岡さんと協力関係は続けていきたいと思います」福島県庁「TOKIO課」担当者が明かした“現状”と届いたエール
NEWSポストセブン
映画『国宝』で梨園の妻を演じた寺島しのぶ(52)
《無言の再投稿》寺島しのぶ、SNSで2回シェアした「画像」に込められた歌舞伎役者である息子・尾上眞秀への“覚悟”
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《ベビー服は男の子のものでは?》眞子さん、夫・小室圭さんと貫く“極秘育児”  母・佳代さんの「ラブコール」も届かず…帰国が実現しない可能性も
NEWSポストセブン
吉沢亮演じる喜久雄と横浜流星演じる俊介が剣幕な表情で向かい合うシーンも…(インスタグラムより)
“憑依型俳優”吉沢亮主演の映画『国宝』が大ヒット、噂される新たな「オファー」とは《乗り越えた泥酔事件》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“半日で1000人以上と関係を持った”美女インフルエンサー(26)がイギリスの公共放送で番組出演「口をすぼめて、吸う」過激ビジュアル
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 三原じゅん子「暴力団ゴルフコンペ」写真ほか
「週刊ポスト」本日発売! 三原じゅん子「暴力団ゴルフコンペ」写真ほか
NEWSポストセブン