中国の大手ハムメーカーでも開発が進む(共同通信社)

中国の大手ハムメーカーでも開発が進む(共同通信社)

炭水化物の摂りすぎになる

 いま、日本で代替肉といえば「大豆ミート」のことだが、アメリカのマクドナルドでは、昨年11月から一部の店舗で「マックプラント」と呼ばれる「牛肉レス」のハンバーガーが試験的に販売されている。ハンバーグの代わりにバンズに挟まれているのは、えんどう豆、米、じゃがいもなどから作られたパティだ。このように大豆以外の穀物を使った代替肉が普及すれば、大豆の過剰摂取リスクは解決する。しかし今度は炭水化物を二重に食べることになり、栄養不足や肥満のリスクが浮上する。

「普段の食事が脂質によるカロリーオーバーで肥満の人なら、代替肉にすることはヘルシーかもしれません。しかし、普通の人は代替肉にするとカロリーが不足する。足りないカロリーを補うためにご飯やパンを食べると、糖質の摂りすぎになってしまいます」

 渡辺さんは、そもそも豆が主原料の代替肉を、肉の代用品と考えるべきではないと指摘する。

「よく『良質なたんぱく質を摂りましょう』と言いますが、たんぱく質とは『動物性たんぱく質』のことだと厚生労働省も示しています。たんぱく質の栄養価を示す『アミノ酸スコア』というものがありますが、スコア値が高く、バランスがいいのは肉やチーズ、卵などの動物性たんぱく質であり、植物性たんぱく質はスコアが完全ではない。種類にもよりますが、豆は炭水化物も豊富に含んでいます」

 現在、食品メーカーでは競うように代替肉の商品開発が進んでいる。環境への配慮から代替肉を選ぶことは素晴らしい心がけだが、問題は「代替肉の方がヘルシー」という風潮だ。安易に流されてはいけない。

※女性セブン2022年3月17日号

アマゾンの樹木が次々伐採され、大豆畑に変えられている(GettyImages)

アマゾンの樹木が次々伐採され、大豆畑に変えられている(GettyImages)

関連キーワード

関連記事

トピックス

若手俳優として活躍していた清水尋也(時事通信フォト)
「もしあのまま制作していたら…」俳優・清水尋也が出演していた「Honda高級車CM」が逮捕前にお蔵入り…企業が明かした“制作中止の理由”《大麻所持で執行猶予付き有罪判決》
NEWSポストセブン
「正しい保守のあり方」「政権の右傾化への憂慮」などについて語った前外相。岩屋毅氏
「高市首相は中国の誤解を解くために説明すべき」「右傾化すれば政権を問わずアラートを出す」前外相・岩屋毅氏がピシャリ《“存立危機事態”発言を中学生記者が直撃》
NEWSポストセブン
3児の母となった加藤あい(43)
3児の母となった加藤あいが語る「母親として強くなってきた」 楽観的に子育てを楽しむ姿勢と「好奇心を大切にしてほしい」の思い
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
過去にも”ストーカー殺人未遂”で逮捕されていた谷本将志容疑者(35)。判決文にはその衝撃の犯行内容が記されていた(共同通信)
神戸ストーカー刺殺“金髪メッシュ男” 谷本将志被告が起訴、「娘がいない日常に慣れることはありません」被害者の両親が明かした“癒えぬ悲しみ”
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン
木瀬親方
木瀬親方が弟子の暴力問題の「2階級降格」で理事選への出馬が絶望的に 出羽海一門は候補者調整遅れていたが、元大関・栃東の玉ノ井親方が理事の有力候補に
NEWSポストセブン
和歌山県警(左、時事通信)幹部がソープランド「エンペラー」(右)を無料タカりか
《和歌山県警元幹部がソープ無料タカり》「身長155、バスト85以下の細身さんは余ってませんか?」摘発ちらつかせ執拗にLINE…摘発された経営者が怒りの告発「『いつでもあげられるからね』と脅された」
NEWSポストセブン
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《趣里と三山凌輝の子供にも言及》「アカチャンホンポに行きました…」伊藤蘭がディナーショーで明かした母娘の現在「私たち夫婦もよりしっかり」
NEWSポストセブン
高石あかりを撮り下ろし&インタビュー
『ばけばけ』ヒロイン・高石あかり・撮り下ろし&インタビュー 「2人がどう結ばれ、『うらめしい。けど、すばらしい日々』を歩いていくのか。最後まで見守っていただけたら嬉しいです!」
週刊ポスト
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《恐怖のマッサージルームと隠しカメラ》10代少女らが性的虐待にあった“悪魔の館”、寝室の天井に設置されていた小さなカメラ【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン