1990年、KGBを退職したプーチン氏は政治活動を開始した。それからわずか10年足らずで政界を上り詰め、2000年に大統領に就任する。
その後も不可解な出来事は続いている。2006年には彼の陰謀を追っていた女性ジャーナリストが自宅アパートで射殺され、同年、プーチン氏を批判した元KGB中佐が多量の放射性物質を摂取させられ暗殺された。2015年にはプーチン政権を批判していたネムツォフ元副首相がモスクワ市内で射殺された。プーチン政権の関与ははっきりしていないが、彼にとって邪魔な人物が次々と不審死を遂げているのは事実だ。前出の篠田さんが言う。
「長年、ロシアの最高権力者として君臨してきたことで、プーチン氏はもはや自分のことを『皇帝』と位置付けている。生まれながらに雲の上の存在だから、下々の人間の言うことに耳を貸す必要はないと思い込んでいるのでしょう」
暗くゆがんだ過去は権力で葬り去ることができても、現在進行形の戦争ににじむ私利私欲は隠せない。ウクライナの平穏な日常が早く取り戻されることを願うばかりだ。
※女性セブン2022年3月17日号