バイデン大統領の弱腰についても言及した池上彰氏
池上:トランプは嫌だけど積極的にバイデンを支持しようという気になれず、前回はバイデンに入れたけど次回は入れない人が出てくるのではないでしょうか。それに昨年、共和党主導でアメリカの19州で選挙法が改正され、期日前投票の有権者の本人確認を厳格化することが決まりました。運転免許などのIDを持たない黒人やヒスパニックが投票しにくくなり、民主党の票が減る影響が大きいと考えられます。
横田:トランプが大統領として復活する日が本当に来るかもしれない。
池上:日本でも岸田首相が躓けば保守層から待望論が出て安倍さんが首相に返り咲くかもしれない。まだテレビで言ったことはないですが、2024年にシンゾー・ドナルドの日米首脳タッグが復活する可能性もあると思います。
横田:再び民主主義が危機に陥る。そんな不安に苛まれながらこの2年を過ごすことになりそうです。
(了。第1回から読む)
【プロフィール】
池上彰(いけがみ・あきら)/1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、1973年NHK入局。1994年から「週刊子どもニュース」のお父さん役を11年務め、2005年よりフリージャーナリストとして活動。2016年より名城大学教授、東京工業大学特命教授。
横田増生(よこた・ますお)/1965年福岡県生まれ。アイオワ大学ジャーナリズムスクールで修士号。物流業界紙の記者、編集長を務め、1999年フリーに。2020年、『潜入ルポ amazon帝国』で新潮ドキュメント賞受賞。『「トランプ信者」潜入一年』を刊行。
※週刊ポスト2022年3月18・25日号
