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中国の「首に鎖の女性事件」ユネスコ女性特使務める習近平夫人に解任運動

解任運動に発展した背景とは

解任運動に発展した背景とは

 中国のファーストレディ、習近平国家主席夫人の彭麗媛さんが2014年から務めている国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「女子・女性教育促進特使」について、ユネスコに対して「取り消すべきだ」との公開書簡が発表され、彭麗媛さんの解任を求めるキャンペーンがインターネット上で展開されている。

 これは、昨年12月初めに中国江蘇省鳳県で、誘拐されて鎖につながれ8人の子供を産んだ女性の事件が明るみに出たにもかかわらず、女性や子供の人権を守るべき特使である彭麗媛さんが一切この事件にコメントせず、中国政府に対して何らかのアクションを求めることもしていないため。「彭麗媛さんには特使の資格はない」などと強く批判されている。米政府系報道機関「ボイス・オフ・アメリカ(VOA)」が報じた。

 公開書簡は、元上海同済大学政治学副教授で現在米国に亡命中の邱嘉順博士が発起人となって発表されたもので、オードリー・アズレイ・ユネスコ事務局長に宛てて出されている。

 書簡では、鎖につながれた女性の事件について、「全世界が衝撃と憤りを感じ、中国当局もこの事件に関して5回の捜査状況の発表を行ったが、彭麗媛さんはユネスコの女子・女性教育促進特使を務めているにもかかわらず、被害女性について、一言も言及していない」と批判。そのうえで、公開書簡でが「中国では毎年何万人もの女性や子供が人身売買や虐待を受けているのに、彭さんは女性や少女に対するこうしたひどい人権侵害に関心を示す様子がない」と指摘している。

 また、書簡は「彭氏は中国政府に対して、女性差別撤廃条約、子どもの権利条約、中国の女性と子どもの保護に関する法律の遵守と実施を促す努力を一切していない。彭さんを特使にしておくことはユネスコの重大な汚点であり、彭さんはもはやユネスコの女子教育特使を務める資格はない。その旨を世界に公表すべきだ」と締めくくっている。

 公開書簡は今後、ジュネーブの国連人権理事会など世界の人権団体のほか、中国人民政治協商会議や全中国女性連盟などの中国内の人権担当機関にも送付されるという。

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