河野太郎氏は「大将」となるか(共同通信社)
「もし河野氏が動けば、菅氏は河野氏をグループのトップに据えるかもしれません。菅氏は首相時代の苦い経験から、『自分は表に立つ顔ではない』との思いがあり、3代続く政界サラブレッドの河野氏こそ“顔”に相応しいと考えているはず。進次郎氏も含めた3人は先の総裁選で一敗地に塗れましたが、虎視眈々と岸田氏へのリベンジ戦へ挑むチャンスを窺っているのではないでしょうか。
『鎌倉殿の13人』に置き換えれば、菅氏は北条氏の立場で、河野氏を源頼朝のように大将として担ぐということ。今の自民党内には、平家よろしく栄華を極める岸田氏と宏池会への不満がマグマのように溜まりつつある。菅氏はそれが噴出する瞬間をじっくり見極めるつもりで、そのためにも『今はまだグループ結集の時期ではない』と慎重を期しているのです。
ちなみに、メディアでは菅氏が石破茂氏に『秋波を送っている』と報じられましたが、あれはむしろ逆のはず。石破氏が菅氏を利用してもう一度、表舞台に立とうとしているのが実態ではないでしょうか」
それぞれの思惑が入り乱れるあたり、永田町は『鎌倉殿』に負けず劣らず、生き馬の目を抜く世界である。