山田:そういう男性は奥さまや娘さんの意見も聞かないんでしょうか。周囲の女性たちも、なぜ注意なさらないのかと不思議になりますよね。
まぁ、かくいう私も実は責任を感じているところなんです。私は谷口さんより18才上。男性社会で生き抜くために理不尽だと思ってもがまんをしたり、味方をしたつもりはなくても、それなりにうまくつきあったりしてきたことが、おっさんを増長させ、増殖させたのではと猛省しています。
谷口:よく、その世代のかたからは「申し訳ないと思っている」と言っていただきます。でもそれって、サバイバルのために仕方なかったと思うんですよね。上の世代が先鞭をつけてくださったから私たちが言える。
“おっさん”って、女性には「マドモアゼル」と「ママン」しかいないと思っているんです。つまり、バカなフリができるお嬢さんか、なんでも許してくれるお母さんの2種類です。
女性が愛でられる存在にならないと組織の中心に入れなかった時代、山田さんたちお姉さんは、“癒し系”もやりながら、「はいはい、わかりました」「何、言ってんの? アンタ」と“いなし系”もしてくださったんですよね。
【プロフィール】
谷口真由美さん/1975年大阪府生まれ。現在は大阪芸術大学で客員准教授を務め、国際人権法やジェンダー論を専門に研究している。テレビやラジオでコメンテーターとしても活躍。2019年6月から日本ラグビー協会理事を務めるも2021年6月にラグビー協会の主な役職から退く。
山田美保子さん/『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などを手がける放送作家。コメンテーターとして『ドデスカ!』(メ?テレ)、『アップ!』(同)、『バイキングMORE』(フジテレビ系)、『サンデージャポン』(TBS系)に出演中。CM各賞の審査員も務める。
※女性セブン2022年3月24日号