芸能

NHKが朝ドラ主題歌の権利で多額の収入 専門家は独占禁止法抵触の可能性を指摘

NHKとレコード会社、仲介人の間に、金銭のやり取りがある(写真/時事通信フォト)

昨年度、子会社のNHK出版が稼ぎ出した著作権管理等収入は35億円を超えた(写真/時事通信フォト)

「NHK公認ドラマ音楽プロデューサー」の肩書を持つ芸能事務所社長のA氏が、NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(以下、『カムカム』)の主題歌選定に介在し、レコード会社から1000万~1500万円の「成功報酬」を受け取っていた──。

 本誌・女性セブン2022年3月24日号で報じた朝ドラにまつわる巨額の「裏金」問題は業界の内外で大きな反響を呼び、各レコード会社から次のような声が寄せられた。

「よくぞ書いてくれた。記事にあったことはすべて事実」
「悪しき慣習を黙認してきたNHKに責任がある」

 3月14日、NHKは4月からはじまる朝ドラの次回作『ちむどんどん』の主題歌が三浦大知の新曲『燦燦』に決定したことを発表したが、例年になく控え目なアナウンスだった。

「いつもならSNSやホームページで大々的に発表するNHKが押し黙り、マスコミ対応もレコード会社とプロダクション任せ。通常とは違う対応で、明らかに裏ガネ報道の影響を気にしているようでした」(レコード会社関係者)

 NHKはA氏ひとりに責任を押しつけ無関係を装っているが、そもそも部外者であるA氏がNHKの了解なしに楽曲の選定に関与することは困難だ。そのA氏は本誌・女性セブン2022年3月24日号の取材時に捨てぜりふのようにこう言った。

「NHKには私のことなんかより、もっと重大な問題があるでしょう」

 A氏が指摘したもう1つの大問題。それはNHKが子会社のNHK出版を通じて、半ば独占的に楽曲の著作権管理収入を得ていることだ。

「(朝ドラの)主題歌に選ばれるとNHK出版が出版権による利益を半永久的に最大で50%程度も持っていくらしいんです。しかも10年プラス自動延長という契約は、いまどき聞いたことがありません。番組のプロデューサーが曲を決めて、NHK出版が管理している状態は、独占禁止法に触れる可能性もある」(A氏)

『カムカム』で105作目を数える朝ドラからは、これまで松任谷由実の『春よ、来い』や宇多田ヒカルの『花束を君に』、AKB48の『365日の紙飛行機』など数々のヒット曲が生まれた。そのほとんどにおいて楽曲の出版権の一部をNHK出版が保有していることはあまり知られていない。

 一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)の定款によると、音楽出版者とは《著作権として、出版、レコード原盤への録音その他の方法により音楽の著作物を利用し、かつ、その著作物の利用の開発を図ることを業とする者》とされる。出版権が生み出す利益は莫大だ。

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