芸能

くすぶる吉本芸人を救った「有吉再生工場」が取っ払う“事務所の壁”

自らも浮き沈みを経験してきたからこそ

自らも浮き沈みを経験してきたからこそ

  有吉弘行がMCを務める『有吉の壁』(日本テレビ系)からブレイク、あるいは再ブレイクを果たした芸人は多い。チョコレートプラネット、シソンヌ、とにかく明るい安村、もう中学生、パンサーらが代表格だが、彼らには共通点がある。いずれも吉本興業の東京本社に所属し、しかもNSC(吉本総合芸能学院)東京校の出身なのだ。それは偶然ではないと、吉本の関係者が語る。

「『有吉の壁』はくすぶっている東京の吉本芸人にチャンスを与えてくれていて、吉本芸人の間では『有吉再生工場』と呼ばれるほどの影響力があります。

 そもそも吉本では、1期生のダウンタウンから連なる大阪NSC出身の漫才コンビこそが保守本流です。近年では、大阪ローカルで地力をつけながら、M-1で名を上げ、東京に進出しひな壇からMCへとステップアップしていくという方程式が出来ていた。麒麟、フットボールアワー、千鳥、かまいたちまで、みなその系譜です。

 それに対して、東京NSCの出身者は、漫才師よりもコント師のほうが多い。彼らはそれぞれ個性的で実力もありますが、ひな壇における団体芸などが苦手なため、吉本が制作に絡むタイプのバラエティにはなかなかハマりづらい。コント師として高い評価を得ながらブレイクしきれなかったチョコプラ、シソンヌ、一発屋としてブーム収束後は再浮上のきっかけがなかった安村、もう中、みんなそうです。それが、『有吉の壁』というミニコント形式の番組で、思う存分、真価が発揮され、ブレイクにいたりました」

 なかでも「『有吉の壁』に救われた」と関係者が口を揃えるのが、パンサーである。売れっ子の印象が強い彼らだが、意外にも一時期は追い込まれていたという。

「パンサーは尾形(貴弘)さんが天然熱血キャラとしてバラエティに呼ばれていたものの、トリオとしてはハナコ、四千頭身といった第7世代に押され気味でしたし、吉本のなかでも、霜降り明星、ミキ、EXITがプッシュされており、微妙な立場でした。

 それが、2020年4月に『有吉の壁』がレギュラー化されると、それまで目立たなかった菅(良太郎)さんのネタ作りのセンスが高く評価されるようになりました。また優等生キャラだった向井(慧)さんの弱点が大喜利であることに有吉さんが目をつけ、いじることで親近感を持たれるようになったことも大きい。トリオとしてもバランスが良くなりました。

 菅・向井の2人がチョコプラと組んだ番組初のユニットの鼻詰まりバンド(美炎-BIEN-)がCDデビューしたり、4月からは向井さんのラジオ番組が始まるなど快進撃が続いています。パンサーの3人は『有吉さんのおかげ』と公言していますが、実際、いくら感謝してもしきれないでしょう」(同前)

関連キーワード

関連記事

トピックス

62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまのラオスご訪問に「感謝いたします」》皇后雅子さま、62歳に ”お気に入りカラー”ライトブルーのセットアップで天皇陛下とリンクコーデ
NEWSポストセブン
今回の地震で道路の陥没に巻き込まれた軽自動車(青森県東北町。写真/共同通信社)
【青森県東方沖でM7.5の地震】運用開始以来初の“後発地震注意情報”発表「1週間以内にM7を超える地震の発生確率」が平常時0.1%から1%に 冬の大地震に備えるためにすべきこと 
女性セブン
竹内結子さんと中村獅童
《竹内結子さんとの愛息が20歳に…》再婚の中村獅童が家族揃ってテレビに出演、明かしていた揺れる胸中 “子どもたちにゆくゆくは説明したい”との思い
NEWSポストセブン
日本初の女性総理である高市早苗首相(AFP=時事)
《初出馬では“ミニスカ禁止”》高市早苗首相、「女を武器にしている」「体を売っても選挙に出たいか」批判を受けてもこだわった“自分流の華やかファッション”
NEWSポストセブン
「一般企業のスカウトマン」もトライアウトを受ける選手たちに熱視線
《ソニー生命、プルデンシャル生命も》プロ野球トライアウト会場に駆けつけた「一般企業のスカウトマン」 “戦力外選手”に声をかける理由
週刊ポスト
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン
3年前に離婚していた穴井夕子とプロゴルァーの横田真一選手(Instagram/時事通信フォト)
《ゴルフ・横田真一プロと2年前に離婚》穴井夕子が明かしていた「夫婦ゲンカ中の夫への不満」と“家庭内別居”
NEWSポストセブン
二刀流かDHか、先発かリリーフか?
【大谷翔平のWBCでの“起用法”どれが正解か?】安全策なら「日本ラウンド出場せず、決勝ラウンドのみDHで出場」、WBCが「オープン戦での調整登板の代わり」になる可能性も
週刊ポスト
世代交代へ(元横綱・大乃国)
《熾烈な相撲協会理事選》元横綱・大乃国の芝田山親方が勇退で八角理事長“一強体制”へ 2年先を見据えた次期理事長をめぐる争いも激化へ
週刊ポスト
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン