高級外車にY子さんを乗せ「思い出の家」から出てきた
麻央さんの部屋には手をつけなかった
その後、しばらく主を失っていた豪邸に活気が戻ってきたのは昨年春頃だ。海老蔵が、歌舞伎の「稽古場」とするために改修工事を行ったのだ。改修終了間近の昨年6月には、長女・麗禾ちゃん(10才)と長男・勸玄くん(9才)とともに自身のYouTubeチャンネルで工事の進み具合を公開。完了後の9月には、「ルームツアー」と題した動画もアップした。
道路に面した重い扉を開けると外階段がある。階段の脇に据えられているのは金色のゾウの置き物だ。階段を上がって玄関の扉を開けると、鏡張りの稽古場が広がっている。床は板の間、壁には歌舞伎界の名門・成田屋の家紋が飾られている。
「海老蔵さんは、ここをプライベートの稽古場として使うつもりだったようです。いずれは子供たちにも稽古に集中できる場として使わせようと考えている。場合によってはストイックに演技と向き合うために泊まり込みもできるように、キッチンなど最低限の生活設備は残してあると聞いています。サウナ好きの海老蔵さんがいつでも使えるよう、サウナも備え付けられているそうです」(歌舞伎関係者)
次世代の担い手としての子供たちの将来をも見据えた、大がかりなリフォーム。くつろげる住まいから空気の張り詰めた仕事場へと変貌を遂げた邸宅だが、一切手をつけずに残したスペースもあった。麻央さんの部屋だ。
海老蔵は動画内でその扉の向こうだけは決して映そうとしなかった。おそらく、夫婦のベッドルームだろう。子供たちへの配慮もあったに違いない。改修の様子を伝える動画内で海老蔵は「ママとパパの部屋はあるよ。さわらないようにしている」と2人の子供に語りかけた。自分に言い聞かせるように「いちばん、麻央といたときの家の原形が残る感じにしようかな」ともつぶやいていた。
家族4人にとって、ともに暮らした時間は短くても、そこは思い出の家。恋人から夫婦へと関係を変えていったのもこの家でのことだ。ふたりきりだった家族は、麗禾ちゃん、勸玄くんと増えていき、その過程では、温かな食卓を囲んで笑い合ったことも、けんかをしたこともあっただろう。そのたび、家族としての絆を深めたのだ。その家は、そんなかけがえのない場所である。だからこそ、稽古場に変えるという大きな決断をしながらも、麻央さんの記憶が深く刻まれた部屋には手をつけずに残したのだろう。