国際情報

「裏切り者」と責められて…日本に避難したウクライナ人家族の苦悩

集団埋葬地の前で行方不明の親族を思い涙を流す家族(共同通信社)

集団埋葬地の前で行方不明の親族を思い涙を流すウクライナ人の家族(共同通信社)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、ロシアの侵攻により、日本へ避難してきたウクライナ人家族の苦悩や、ウクライナ人同士で生まれる“温度差”について。

 * * *
 都内の外国人クラブで働くウクライナ人女性たちの元には、祖国ウクライナとロシアの戦争により、家族が日本へ避難してきている。なんとか国を脱出できた家族が持ってきた荷物は、ほんのわずかだ。色々なモノを捨てて逃げてきた彼らは、親しい人に“さよなら”も告げず出てきたという。

 その時の様子を聞いた外国人クラブのオーナーA氏は、「友人知人、親戚には何も言わずに家を出たという人ばかりだった」と話す。

「彼らは、昼間は一つ所に集まって『ここでみんなで頑張ろう! なんとか全員生き残ろう』と励まし合っているのに、その夜に脱出するとは言えないのでしょう。国を捨てる、家を捨てる、逃げるという恥ずかしさと、『裏切り者』と言われるかもしれない怖さが彼らにはある。列車はどの駅から出るのか、出発時間はいつか、荷物の制限は、ペットは、など必要な情報を得るため、知らない人同士がSNSでやり取りするだけ。脱出する前に友人や親せきにメールや電話をしたという人はいないそうです」(A氏)

 脱出用の列車は夜に出発。ロシア軍に見つからないよう列車内に明かりはない。画面が光るためスマホも禁止だ。そうして安全な場所に到着して、もしくは出国して始めて、彼らは周囲の人たちに連絡をするのだという。列車の中でスマホが使えなかったからではない。伝えることが、伝えた時の相手の反応が怖いのだ。

「安全な場所へ逃げた彼らへの妬みからか、『何で言ってくれなかった!』、『何で私を誘ってくれなかった!』、『裏切り者』と責められた人もいたようだ」(A氏)

 自国の状況を巡り、A氏が知るウクライナ人の間では微妙な温度差もあるらしい。ドネツク州出身の女性は「ドネツクが内戦になったのに、他の州は知らんぷりしていた。ようやくみんな戦争の怖さが分かったのでは」と冷ややかだという。ドンバス(ドネスク州やルハンスク州)では、8年前からウクライナ政府軍と分離独立派による内戦が続いていたからだ。

関連記事

トピックス

虐待があった田川市・松原保育園
《保育士10人が幼児を虐待》「麗奈は家で毎日泣いてた。追い詰められて…」逮捕された女性保育士(25)の夫が訴えた“園の職場環境”「ベテランがみんな辞めて頼れる人がおらんくなった」【福岡県田川市】
NEWSポストセブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン
亡くなったアンナ・ケプラーさん(TikTokより)
巨大クルーズ船で米・チアリーダー(18)が“謎の死”「首を絞められたような2つのアザ」「FBIが捜査状況を明かさず…」《元恋人が証言した“事件の予兆”》
NEWSポストセブン
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
NEWSポストセブン
アスレジャースタイルで渋谷を歩く女性に街頭インタビュー(左はGettyImages、右はインタビューに応じた現役女子大生のユウコさん提供)
「同級生に笑われたこともある」現役女子大生(19)が「全身レギンス姿」で大学に通う理由…「海外ではだらしないとされる体型でも隠すことはない」日本に「アスレジャー」は定着するのか【海外で議論も】
NEWSポストセブン
中山美穂さんが亡くなってから1周忌が経とうとしている
《逝去から1年…いまだに叶わない墓参り》中山美穂さんが苦手にしていた意外な仕事「収録後に泣いて落ち込んでいました…」元事務所社長が明かした素顔
NEWSポストセブン
決定戦で横綱を下した安青錦(写真/JMPA)
【最速大関・安青錦の素顔】ウクライナを離れて3年、なぜ強くなれたのか? 来日に尽力した恩人は「日本人的でシャイなところがあって、真面目で相撲が大好き」、周囲へ感謝を忘れない心構え
週刊ポスト
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)(Instagramより)
《俺のカラダにサインして!》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)のバスが若い男性グループから襲撃被害、本人不在でも“警備員追加”の大混乱に
NEWSポストセブン
主演映画『TOKYOタクシー』が公開中の木村拓哉
《映画『TOKYOタクシー』も話題》“キムタク”という矜持とともにさらなる高みを目指して歩み続ける木村拓哉が見せた“進化する大人”の姿
女性セブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏の人気座談会(撮影/山崎力夫)
【江本孟紀・中畑清・達川光男座談会1】阪神・日本シリーズ敗退の原因を分析 「2戦目の先発起用が勝敗を分けた」 中畑氏は絶不調だった大山悠輔に厳しい一言
週刊ポスト
CM露出ランキングで初の1位に輝いた今田美桜(時事通信フォト)
《企業の資料を読み込んで現場に…》今田美桜が綾瀬はるかを抑えて2025年「CM露出タレントランキング」1位に輝いた理由
NEWSポストセブン
亡くなったテスタドさん。現場には花が手向けられていた(本人SNSより)
《足立区11人死傷》「2~3年前にSUVでブロック塀に衝突」証言も…容疑者はなぜ免許を持っていた? 弁護士が解説する「『運転できる能力』と『刑事責任能力』は別物」
NEWSポストセブン