スポーツ

今の阪神「最弱の暗黒期」とどっちが弱い?1987年は37.5ゲーム差の最下位

戦力的には当時より今のほうが充実しているように見えるが…(矢野燿大監督=右。時事通信フォト)

戦力的には当時より今のほうが充実しているように見えるが…(矢野燿大監督=右。時事通信フォト)

「いったい、どこまで負け続けるのか……」。ファンからはそんなため息混じりの声も聞こえてくる。4月20日、阪神がDeNAにサヨナラ負けを喫して3連敗。22試合を終えて3勝18敗1分、勝率1割4分3厘でリーグ最下位を独走している。首位・巨人には11.5ゲーム差を付けられ、早ければ30試合目の4月29日に自力優勝の可能性が消滅するという“非常事態”になってきた。プロ野球担当記者が話す。

「巨人が8連勝して、阪神が8連敗するという仮定の話ですから、実際には4月中の自力V消滅はないでしょう。しかし、開幕から1か月も経たないうちに、そんな話題が出ること自体、とんでもないこと。去年はゲーム差なしの2位で、今年も優勝争いをすると思われていましたから」

 今年の弱さに“暗黒期”を思い出すファンもいるだろう。阪神は2リーグ分裂後の優勝回数5回と少ないが、1970年代半ばまではAクラスの常連だった。1978年に球団史上初の最下位に転落するも、1985年には日本一に輝いて猛虎フィーバーが起こった。しかし、その2年後から暗黒期が始まった。2003年に星野仙一監督で優勝するまでの間、16年間で15回のBクラス、そのうち10回の最下位と散々な成績だった。

「特に、吉田義男監督の1987年は弱かったですね。4番の掛布雅之が前年の故障から急激に衰え、この年は腰痛も発生して二軍落ちするなど絶不調だった。元々、強くなかった投手陣は外国人のマット・キーオが孤軍奮闘した以外は目立たなかった。6月に札幌円山球場で連敗した時は細川たかしの『北酒場』に引っ掛けて、『北墓場』と見出しを打つスポーツ紙もありました。終わってみれば、球団史上ワーストの勝率3割3分1厘、優勝の巨人とは37.5ゲーム差を付けられた。2年前の天国から地獄に落ちた吉田監督は1985年からの5年契約だったにもかかわらず、事実上の解任となりました」

 そんな最弱の1987年でも、22試合消化時点では6勝14敗2分で、勝率は今年の倍以上の3割あった。当時の戦力を見ると、20代のレギュラーは捕手の木戸克彦と遊撃手の平田勝男しかおらず、投手陣も山本和行、福間納、伊藤文隆などは30代で峠を越えていた印象もあった。28歳で中堅の池田親興は来日したばかりのボブ・ホーナーに1試合3ホーマーを打たれるなど調子が上がらず、2年目の遠山昭治の故障など誤算も重なった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

昭和館を訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年12月21日、撮影/JMPA)
天皇ご一家が戦後80年写真展へ 哀悼のお気持ちが伝わるグレーのリンクコーデ 愛子さまのジャケット着回しに「参考になる」の声も
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
《ジャンボ尾崎さん死去》伝説の“習志野ホワイトハウス豪邸”にランボルギーニ、名刀18振り、“ゴルフ界のスター”が貫いた規格外の美学
NEWSポストセブン
西東京の「親子4人死亡事件」に新展開が──(時事通信フォト)
《西東京市・親子4人心中》「奥さんは茶髪っぽい方で、美人なお母さん」「12月から配達が止まっていた」母親名義マンションのクローゼットから別の遺体……ナゾ深まる“だんらん家族”を襲った悲劇
NEWSポストセブン
シーズンオフを家族で過ごしている大谷翔平(左・時事通信フォト)
《お揃いのグラサンコーデ》大谷翔平と真美子さんがハワイで“ペアルックファミリーデート”、目撃者がSNS投稿「コーヒーを買ってたら…」
NEWSポストセブン
愛子さまのドレスアップ姿が話題に(共同通信社)
《天皇家のクリスマスコーデ》愛子さまがバレエ鑑賞で“圧巻のドレスアップ姿”披露、赤色のリンクコーデに表れた「ご家族のあたたかな絆」
NEWSポストセブン
1年時に8区の区間新記録を叩き出した大塚正美選手は、翌年は“花の2区”を走ると予想されていたが……(写真は1983年第59回大会で2区を走った大塚選手)
箱根駅伝で古豪・日体大を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈3〉元祖“山の大魔神”の記録に挑む5区への出走は「自ら志願した」
週刊ポスト
12月中旬にSNSで拡散された、秋篠宮さまのお姿を捉えた動画が波紋を広げている(時事通信フォト)
〈タバコに似ているとの声〉宮内庁が加湿器と回答したのに…秋篠宮さま“車内モクモク”騒動に相次ぐ指摘 ご一家で「体調不良」続いて“厳重な対策”か
硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将(写真/AFLO)
《戦後80年特別企画》軍事・歴史のプロ16人が評価した旧日本軍「最高の軍人」ランキング 1位に選出されたのは硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将
週刊ポスト
米倉涼子の“バタバタ”が年を越しそうだ
《米倉涼子の自宅マンションにメディア集結の“真相”》恋人ダンサーの教室には「取材お断り」の張り紙が…捜査関係者は「年が明けてもバタバタ」との見立て
NEWSポストセブン
死体遺棄・損壊の容疑がかかっている小原麗容疑者(店舗ホームページより。現在は削除済み)
「人形かと思ったら赤ちゃんだった」地雷系メイクの“嬢” 小原麗容疑者が乳児遺体を切断し冷凍庫へ…6か月以上も犯行がバレなかったわけ 《錦糸町・乳児遺棄事件》
NEWSポストセブン
11月27日、映画『ペリリュー 楽園のゲルニカ』を鑑賞した愛子さま(時事通信フォト)
愛子さま「公務で使った年季が入ったバッグ」は雅子さまの“おさがり”か これまでも母娘でアクセサリーや小物を共有
NEWSポストセブン
ネックレスを着けた大谷がハワイの不動産関係者の投稿に(共同通信)
《ハワイでネックレスを合わせて》大谷翔平の“垢抜け”は「真美子さんとの出会い」以降に…オフシーズンに目撃された「さりげないオシャレ」
NEWSポストセブン