ライフ

モーツァルトの楽曲が身体に与える効果とは 免疫音楽療法の権威が解説

モーツァルトの楽曲が体にどう作用する?(イメージ。Getty Images)

モーツァルトの楽曲が体にどう作用する?(イメージ。Getty Images)

 モーツァルトの楽曲を聞くと、体にどのような効果があるのか──。免疫音楽療法の権威である和合治久氏に“4000Hzの神秘”について聞いた。

 * * *
 モーツァルトの曲を10分ほど聴いていると、体がポカポカして唾液が出てきます。こうした生体反応はごく自然なもので、免疫学的に解明されています。

 脳の中心部にあって「命の座」と呼ばれ、五感を司る脳幹部は、自律神経との関係が深い部位です。生体反応は、この脳幹部の一部である延髄が音楽で刺激され、副交感神経が優位に働くことで生じます。副交感神経は緊張を和らげる神経ですが、健康にとって重要なのは、副交感神経と緊張を高める交感神経のバランスを保つことです。

 現代社会で多くの人が抱えるストレスは、交感神経を過敏にさせ、心身を過剰な活動モードにします。交感神経の優位が続けば、血圧や血糖値が上昇して血管が収縮し、血流が悪くなり脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高めます。

 また、脳に栄養や酸素が行き届かなくなることで、脳に溜まった老廃物を排出しにくくなり、記憶を司る細胞に影響が出ます。物事を忘れやすくなり、放っておくと軽度認知障害から、やがては認知症を発症することになります。

 モーツァルトの楽曲には4000Hzの周波数が多く、この周波数は延髄を刺激し、副交感神経にスイッチを入れる特性があります。血行がよくなるから体がポカポカしてくるのであり、唾液が出ることで、分泌されるIgAという免疫物質が口に入ってくる病原体やウイルスを撃退してくれます。

 ほかにも、がん細胞を攻撃する免疫細胞を活性化させたり、糖尿病患者に必要なインスリンの分泌を促すなど、副交感神経を刺激することで得られるメリットはたくさんあります。

 気が向いたときに聴くのもいいのですが、できれば1日3回、朝、昼、晩にそれぞれ20分ずつ聴いてみてください。

【プロフィール】
和合治久(わごう・はるひさ)/1950年生まれ、長野県出身。京都大学にて理学博士取得。専門は比較免疫生物学、免疫音楽医療学。各地で講演や音楽セラピーコンサートを開催している。『免疫力を高めるアマデウスの魔法の音』など著書多数。

『癒やしのモーツァルト 脳を活性化する4000Hz』

『癒やしのモーツァルト 脳を活性化する4000Hz』


■『癒やしのモーツァルト 脳を活性化する4000Hz』(2200円+税)
脳を活性化させ、健康維持が期待できるモーツァルトの楽曲をセレクトした、和合氏慣習の音楽療法CD。
【全10曲視聴可能】
https://lnk.to/active_brain_mozart

※週刊ポスト2022年5月6・13日号

関連記事

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン