ライフ

世界に誇る獣医の最先端治療 人工心肺を使い心臓を止めて手術することも

機器が充実した手術室。同手術の普及のため、国内外より獣医師、動物看護師の見学も受け入れている(写真/JASMINEどうぶつ総合医療センター)

機器が充実した手術室。手術の普及のため、国内外より獣医師、動物看護師の見学も受け入れている(写真/JASMINEどうぶつ総合医療センター)※受診には、かかりつけ病院からの紹介が必要

 どんな時も寄り添ってくれる愛犬や愛猫も、人間と同様に歳を取れば病気になる。同時に、動物を対象とした医療の進歩は目覚ましく、高度医療に特化した病院も登場。海外にその名を轟かせる最先端治療を行う獣医もいる。

 神奈川県横浜市の『JASMINEどうぶつ総合医療センター』が行っているのは心臓の僧帽弁修復手術。上地センター長と水野祐医長の2人それぞれが僧帽弁修復手術の執刀医を務める。

 高齢の犬で最も多くみられる心疾患「僧帽弁閉鎖不全症」。特に小型犬に多く、左心房と左心室の間の僧帽弁が正常に閉まらなくなることで血液が逆流し、進行すると肺水腫や心不全などを発症して死に至る場合もある。根治的な僧帽弁修復手術で世界一の手術実績(約2360件)を持つのが、上地正実センター長だ。

「人工心肺を用い、心臓を60分間止めて手術します。小さなチワワの場合、僧帽弁の大きさは人間の小指の爪ほどですが、断裂した弁の腱を針と糸で元の位置に戻し、広がった弁の根元を縫い縮めて弁がうまく閉じるようにします」(上地センター長)

上地センター長(左)と水野祐医長の2人それぞれが僧帽弁修復手術の執刀医を務める(撮影/佐藤敏和)

上地センター長(左)と水野祐医長の2人それぞれが僧帽弁修復手術の執刀医を務める(撮影/佐藤敏和)

 かかる費用は、手術費用143万円、入院やその後の通院などで合計212万~222万円。退院率は98.57%(2022年実績)。米国など海外から愛犬の手術を受けにくる飼い主も多い。

関連キーワード

関連記事

トピックス

62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまのラオスご訪問に「感謝いたします」》皇后雅子さま、62歳に ”お気に入りカラー”ライトブルーのセットアップで天皇陛下とリンクコーデ
NEWSポストセブン
今回の地震で道路の陥没に巻き込まれた軽自動車(青森県東北町。写真/共同通信社)
【青森県東方沖でM7.5の地震】運用開始以来初の“後発地震注意情報”発表「1週間以内にM7を超える地震の発生確率」が平常時0.1%から1%に 冬の大地震に備えるためにすべきこと 
女性セブン
竹内結子さんと中村獅童
《竹内結子さんとの愛息が20歳に…》再婚の中村獅童が家族揃ってテレビに出演、明かしていた揺れる胸中 “子どもたちにゆくゆくは説明したい”との思い
NEWSポストセブン
日本初の女性総理である高市早苗首相(AFP=時事)
《初出馬では“ミニスカ禁止”》高市早苗首相、「女を武器にしている」「体を売っても選挙に出たいか」批判を受けてもこだわった“自分流の華やかファッション”
NEWSポストセブン
「一般企業のスカウトマン」もトライアウトを受ける選手たちに熱視線
《ソニー生命、プルデンシャル生命も》プロ野球トライアウト会場に駆けつけた「一般企業のスカウトマン」 “戦力外選手”に声をかける理由
週刊ポスト
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン
3年前に離婚していた穴井夕子とプロゴルァーの横田真一選手(Instagram/時事通信フォト)
《ゴルフ・横田真一プロと2年前に離婚》穴井夕子が明かしていた「夫婦ゲンカ中の夫への不満」と“家庭内別居”
NEWSポストセブン
二刀流かDHか、先発かリリーフか?
【大谷翔平のWBCでの“起用法”どれが正解か?】安全策なら「日本ラウンド出場せず、決勝ラウンドのみDHで出場」、WBCが「オープン戦での調整登板の代わり」になる可能性も
週刊ポスト
世代交代へ(元横綱・大乃国)
《熾烈な相撲協会理事選》元横綱・大乃国の芝田山親方が勇退で八角理事長“一強体制”へ 2年先を見据えた次期理事長をめぐる争いも激化へ
週刊ポスト
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン