杉良太郎

ダンスに取り組む際に「向上心」が大切だと力説する杉良太郎

杉:ダンスは人に見られないと意味がない。極端な例でいうと、昔は歳を重ねると入れ歯の役者が多かったんですよ。私がやっていた舞台の『遠山の金さん』で、お白洲(※いわゆる江戸時代の法廷)で金さんが悪者に打ち首獄門の裁きを下すと、「御奉行様、助けてくださーい」と命乞いする老人が出てくるんだけど、ある時、その役者の入れ歯がぱかっと外れて口元まで出てきちゃったの。

3人:えぇぇぇ~!(悲鳴)

杉:で、自分で「フン!」と戻した。それをお客さんが見ちゃったから笑っちゃって、笑っちゃって、しばらく芝居にならなかった。だって歯がポンと出てきて、「おぶぎょほさば~(御奉行様)」って言われてもね。これは、高齢者のチームはあんまりまじめにやっても面白くない、ということの一例なんだけど、不調があって痛いなら、痛い表情をしてもいいんですよ。入れ歯が外れてもいいし、足を引きずりながらステージから降りてもいい。我慢をしないで弱点もありのまま、全部見せちゃえばいいんです。それが高齢者ダンスチームの最大の持ち味ですよ。でも高齢者チームと言っても、私から見たら3人ともまだまだ若い。自信を持ってステージに立ってください。

3人:はい!

杉:元気で長生きするには体を動かすことが肝心で、その方法としてダンスをすることを勧めています。振り付けを覚えることで脳トレになるし、日常の生活とは違うヒップホップのリズムが体を動かす原動力となる機能にも影響を与えて、敏捷性も上がります。ダンスで大切にしてほしいのは、うまくなろうという向上心。少しでもその気持ちがなかったら、つまらないと思う。将来的にはダンス健康クラブのチーム対決も考えています。ひとつでも勝てば自信になるし、負ければ……

3人:それは悔しいです!

杉:そうですよね。で、来年は負けないぞってね。人生に今までと違ったやりがいや、楽しさが生まれる。皆さんにはダンスを通じて、生きる喜びを全国に知らしめてほしい。仲間と踊るのは楽しいでしょう?

斎藤:踊って体を動かすのも楽しいですし、コーチを筆頭に人柄のいい人が集まっているので、おしゃべりがとっても楽しいんです。実は、メンバーの人でも、この年齢だから持病を抱えている人ばかりなんです。でも、「ここへくれば笑いもあって免疫力が上がるよね!」なんて言いながら、みんな滅多に休みません。

杉:家に話し相手がいなくて外出もしないと、1日中黙っているお年寄りも多いんですよ。ダンス以外のこともしゃべりあって、笑いあうという時間は、すごくストレス発散にもなるんじゃないかな。

川村:逆に、みんなに会えないと具合が悪くなりそう(笑い)。私はAKB48を見て、自分も同世代の仲間とあんなふうに楽しく踊れたらいいなとサークルに参加したんです。踊ってみたら盆踊り状態でとんだ高望みでしたが(苦笑い)、少しずつ体が動くようになってどんどん楽しさが増しています。

杉:将来シニアの全国大会に出るようになったら、ダンスも意識もまたレベルアップしますよ。大阪の「まかろん♪」というチームに今年の4月のイベントでパフォーマンスをしてもらいましたが、あちらは平均年齢78才でセンターを張るのは最高齢の88才! 健康でパワフルだし、メーキャップもバッチリしていましたよ。

今川:すごい! メーキャップをして踊る自分たちの姿を想像するとわくわくしますね。

杉:2曲、踊りきりました。その後、他のイベントで3曲踊ったそうですよ。

今:88才で3曲も覚えられるなんて。私たちは1曲揃えるのがやっとでした……。

杉:1曲踊り終えると、息切れしますか?

3人:しません!

関連キーワード

関連記事

トピックス

警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
宮城県栗原市でクマと戦い生き残った秋田犬「テツ」(左の写真はサンプルです)
《熊と戦った秋田犬の壮絶な闘い》「愛犬が背中からダラダラと流血…」飼い主が語る緊迫の瞬間「扉を開けるとクマが1秒でこちらに飛びかかってきた」
NEWSポストセブン
全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
このほど発表された新型ロマンスカーは前面展望を採用した車両デザイン
小田急が発表した新型は「白いロマンスカー」後継だというけれど…展望車復活は確定だが台車と「走る喫茶室」はどうなる?
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン