「茅ヶ崎のビーチに友達と遊びに行ったときに、この曲が海で流れていました。ビンゴ大会もあって、楽しい思い出です」(30才・パート)
「高校3年生の夏休み、それまで部活で忙しく映画さえ行けなかった私は、友人と楽しみにしていた映画『稲村ジェーン』を見に行きました。その友人は、24才で結婚。その翌年、出産後にがんで亡くなってしまいました。この曲を聴くと彼女のことを思い出します。いまは私の切ない大切な歌と映画。いつまでも忘れられない思い出です」 (52才・派遣)
この曲を聴きながら、映画に出てくるロケ地巡りをした人もいたようだ。
3位『いとしのエリー』
3枚目のシングル。ドラマ『ふぞろいの林檎たち』(1983年・TBS系)の主題歌にも起用された曲。サザンのシングル初のバラード曲でもある。
「よく、遊びに誘ってくれた先輩がサザンのファンで、いつしか私も気づくと曲を覚えていました。先輩は既婚者でしたが、頻繁に遊びに誘ってくれるので、てっきり私を好きなのだと思っていたら、好きは好きでも恋愛感情じゃなかったことがある日、判明。いまでもこの曲を聴くと、一気にあの頃に心が戻り、行き場のない切なさで、ボロ泣きしたあの日を思い出します」(65才・無職)
「20代の頃、一緒に暮らしていた彼の声が桑田さんの声と似ていて、“エリー”を私の愛称に変えて歌ってくれました。その彼とはお互い好きなのに別れてしまいましたが、いまでもふとしたときに思い出し、胸が苦しくなることがあります。(68才・契約社員)
サザンファン同士で結婚した人からは、「わが子に“エリ”と名付けた」という回答も多かった。
「3枚目の『いとしのエリ―』は発売当初は”これまでと違う”とファンの間で賛否両論あったのが懐かしいです」(長坂さん)
4位『涙のキッス』
1992年放送のドラマ『ずっとあなたが好きだった』(TBS系)の主題歌。佐野史郎(67才)演じる“冬彦さん”ブームも相まって、売上枚数150万枚以上を記録し、サザン初のミリオンセラーとなった。
「友達とよく歌っていた曲です。お互い、恋愛がうまくいかず、相談をしては落ち込んでいました。この曲を聴くと、そのときの友達の顔と慰め合っていたのを思い出します」(41才・専業主婦)
「当時つきあっていた人がサザン大好きで2人でよく聴いていました。互いの家の関係で仕方なく別れることになったときに、この曲が流行していたので、聴くたびに当時のつらかった思い出と、彼の優しさを思い出します」(53才・ 自営業)
5位『勝手にシンドバッド』
記念すべきサザンのデビュー曲。『夜のヒットスタジオ』(フジテレビ系)にタンクトップと短パン姿での出演が話題となった。
「歌詞が聞き取りにくいため、日本語の歌詞でありながら、テロップが出たのもこの曲だったんですよね」(55才・自営業)
「当時、私もバンドを組んでいたのですが、この曲は、これまでのバンドにはないコミカルかつ斬新なメロディーだったので、かなりの衝撃を受けました」(58才・自営業)
『夜ヒット』で初めて聴いたときは、思わずテレビの音量を下げました。何を言ってるかわからなかったけど、迫力満点だったんですよね」(58才・専業主婦)
50代からは、当時の受けたインパクトの強さを感じるコメントが多く届いた。
「デビュー曲『勝手にシンドバッド』は夕方の人気番組『ぎんざNOW!』(TBS系)で初めて披露されました」(長坂さん)