ライフ

「料理も背中も大きくて温かい」と店主を慕う客で賑わう横浜・反町の角打ち

 横浜駅の隣、東急東横線・反町(たんまち)駅から徒歩7分、通り沿いに建ち並ぶマンションの狭間で、昔懐かしい昭和の情緒を醸す『三國屋酒店』。

 印象的なレトロな木枠の引き戸を開くと、木目調の壁に貼られた和服美人の古いポスターやたくさんの著名人のサイン色紙が目に飛び込んでくる。店の奥では、“みっちゃん”と愛称で呼ばれ、客に慕われる3代目店主の岩瀬光重(みつのり)さん(49歳)がせっせと料理を仕込んでいる。

店主と客の温かい交流と旨いつまみが評判の老舗

店主と客の温かい交流と旨いつまみが評判の老舗

「昭和9年に祖父が酒屋を始めて以来、店先で細々と角打ちはやっていたんですが、25年前、親父から店を継いだときからもっと本格的に角打ちをやっていこうと決めました。

 料理は、うちから酒を仕入れてくれる居酒屋さんで教えてもらいました。原価を抑えて旨い味に仕上げるのがプロの料理人だって、さんざん教え込まれましてね、やり始めたら楽しくなっちゃって、メニューの数がどんどん増えていきました」(店主)

「穏やかで、食いしん坊のみっちゃんが作る料理はどれもおいしいの。大きな背中がクマさんみたいで癒されます」(30代)。

「焼きうどんだとか、特大鮭カマとか、温かい料理はいつも大盛りで絶品ですよ」(50代)。

 店主は、市場を巡って、その日の掘り出し物をみつけてくるという。

 今日の目玉は特大鮭カマ。焼き始めると、脂がのった鮭の香ばしい匂いがふわりと店内に漂い、食欲をそそる。

「この鮭は、私たち常連が『海賊』と呼んでいる漁師も認める絶品。なかなかほかで味わえないわよ」(50代)と、ふっくら焼きあがった鮭カマをつまみに、客らは陽気に酒を傾ける。

脂ののった特大鮭カマ塩焼には、爽快な辛口の『焼酎ハイボール』が好相性!

脂ののった特大鮭カマ塩焼には、爽快な辛口の『焼酎ハイボール』が好相性!

「庶民的で温かい店ですよ。私は昔プロレスをやっていたんだけど、初めて来たときから胃袋を鷲掴みにされました。出会いがしらにパワースラム(投げ技)、じわじわサソリ固めを決められた感じ(笑い)。

 後楽園ホールで引退試合をしたとき、みっちゃんはサプライズゲストとして駆けつけてくれたんです。リングの上で花束贈呈してくれて、あれは嬉しかったですね。

 現役を退いた今も柔術の道場で汗流して、帰りにここで一杯飲むのはたまらなく幸せな時間ですよ」(元女子プロレスラー・40代)

「広い背中がクマさんみたい」と常連客に慕われる3代目店主・岩瀬光重さん(49歳)

「広い背中がクマさんみたい」と常連客に慕われる3代目店主・岩瀬光重さん(49歳)

関連記事

トピックス

真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信フォト)
オフ突入の大谷翔平、怒涛の分刻みCM撮影ラッシュ 持ち時間は1社4時間から2時間に短縮でもスポンサーを感激させる強いこだわり 年末年始は“極秘帰国計画”か 
女性セブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン