乃木坂46の黒見明香も特殊詐欺被害撲滅に向けて最新の状況を把握し意見交換

乃木坂46の黒見明香も特殊詐欺被害撲滅に向けて最新の状況を把握し意見交換

なぜ「おかしい」と思いながら計6回も振り込んでしまったのか

『還付金詐欺』80代 男性 被害額:約500万円
《介護生活を経て妻を亡くして悲しみに暮れる中で突然、「医療費が振り込まれるから銀行へ行ってください」と自宅に電話がきた。還付金は事前に役所から書類がくることは知っていたので、「おかしい」と思って相手に確認をしたが、「おかしくない」と落ち着いた声で言われて信用してしまった。気軽に連絡を取り合うような友人はおらず、息子も仕事で留守にしていて、相談できる相手が家にいなかった。

 電話を受けてすぐにATMへ向かい、1回40万円など分割して、4日間で計6回振り込んだ。ATMでは犯人から電話で指示があり、「暗証番号を入れて」などと促される。2回目の振り込み時にあらためて「私を騙しているのではないか?」と聞いたが、「そんなことはない」という言葉に安心してしまった。その後も、手続きが終わると「おつかれさまでした」と言われ、怪しいとは疑わなかった。6回騙し取られたところでようやく息子に相談をして、一緒に警察へ行った。計約500万円のお金は老後の資金として貯金してきたもの。電話でお金の話は詐欺だとわかっていたのに、自分がなぜ話に乗ってしまったか、悔やんでいる》

 聞き取りの中でこの男性は、「金額の大小関係なく、自分が騙されたというショックが大きい。特殊詐欺のことは知っていても、いざ詐欺の電話がきたら忘れてしまっている」と杉に語ったという。

 杉は対策会議でこう分析した。「『還付金なのに、なぜATMへ行くの?』などと、若い人には理解ができないかもしれない。でも、これが歳を重ねるということなんです。高齢になると、ちょっと今日はしんどいとか、このところ体調がすぐれなくて頭がぼんやりしているとか、家庭内での出来事で気持ちが塞いでいるとか、そういった不調が日々あるもの。不調によってメンタルにも波があります。

 そんな時にいきなり電話がかかってきて『早く還付金をもらわないと時間に制限がある』とか、『あなたのクレジットカードが不正利用されている』と恐ろしいことを言われて『早く、早く!!』と急かされたら、通常の判断ができなくなる。冷静に考えて踏み止まることができない。その瞬間に、騙されているんです。

 疲れていたり、精神状態が乱れていたりすると、『なにかおかしいな』とは思っても、『完全にヘンだ』とは確信が持てない。これが騙される人の特徴です」

 特殊詐欺と呼ばれる犯罪は騙す手口は共通していても、捉えかた、騙されかたは被害者によって違う。犯罪の特殊性として、被害者の心理を理解しておくことも必要だと、呼びかけた。

関連記事

トピックス

六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
宮城県栗原市でクマと戦い生き残った秋田犬「テツ」(左の写真はサンプルです)
《熊と戦った秋田犬の壮絶な闘い》「愛犬が背中からダラダラと流血…」飼い主が語る緊迫の瞬間「扉を開けるとクマが1秒でこちらに飛びかかってきた」
NEWSポストセブン
高市早苗総理の”台湾有事発言”をめぐり、日中関係が冷え込んでいる(時事通信フォト)
【中国人観光客減少への本音】「高市さんはもう少し言い方を考えて」vs.「正直このまま来なくていい」消えた訪日客に浅草の人々が賛否、着物レンタル業者は“売上2〜3割減”見込みも
NEWSポストセブン
全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン