地元の柏を大切にしていた(田中聖公式Twitterより)
顔がいいとは身も蓋もない話だが、確かにあの容姿はモテる。KAT―TUN脱退後の歌手活動でも元ジャニーズで音楽的な才能もあり、ちょっとワルな部分は同じく「やんちゃな」女子の心をくすぐったに違いない。
「この辺にあんなにかっこいい男なんていないからさ、みんなあいつのこと好きなんだよ」
犯罪者だから好きにしろでは何の解決にもならない
地元に甘い、という部分を差し引いても、筆者の知る限り聖さんを悪く言う人はいなかった。「あいつは柏じゃないよ沼南だよ」といった「柏を名乗るな」的な言葉もあったが(厳密に言うと聖さんは沼南町の出身、沼南町は2005年に柏市と合併した)、やはり地元が生んだ大スター、まして聖さんは実家のある柏を愛し、東京でスターになってからも柏を捨てなかった。言い方はあれだが、神奈川を除く関東出身のアイドルが出身地を隠すどころか「なかった」ことにすることもあるというのに。
「こういうこと言うと怒られるだろうけど、とくに被害者もいないしね。本人が勝手にラリってるだけだ」
何度も薬物に手を染めたことは犯罪であり非難されて当然だが、薬物には直接的な被害者がいない。殺人とか傷害と違い、薬物事件に関してどうしても世間の反応が緩くなってしまう部分かもしれない。もちろん薬物の背後には反社が絡み、それによって薬物依存、薬物中毒の被害が拡大してしまうのだが、結局のところ「自業自得」「好きにしてろ」という世間の反応もまた事実である。これについて急遽、精神保健福祉士の資格も持つ東葛地域のケアマネージャー(以下、ケアマネ)に連絡して話を聞いた。いや、聞く羽目になったと言うべきか。
なぜならこの6月30日、聖さんが再び覚醒剤取締法違反(所持)で逮捕されてしまったからだ。それも彼の故郷である柏、柏駅西口のダブルデッキ上で覚醒剤を持っていたとしての現行犯。10日前に前述の罪で懲役1年8カ月・執行猶予3年の有罪判決を受けた執行猶予中の身にも関わらず、である。
「西口のパトカー、田中聖でした」
と、逮捕でものものしい雰囲気だった様子を伝えるラインも筆者の元に来た。何時間も揉めたところをみると、令状が出るまで粘ったのだろう。それもあって多くの目撃者も生んだ。地元スターが、大勢の地元民たちの前で逮捕となった。ケアマネは語る。
「薬物の乱用を繰り返すと自己コントロールが効かなくなります。薬物依存は病気でなく精神障害ですから完全には治りません。慢性中毒ともなれば周囲の協力が本当に大事で『犯罪者だから好きにしろ』では何の解決にもなりません」