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全国の子育て世代を恐怖させる誘拐予告メール 愉快犯が受ける“罪と罰”

「誘拐予告メール」は多くの自治体に何度も届いているという(イメージ)

「誘拐予告メール」は多くの自治体に何度も届いているという(イメージ)

 全国各地の自治体に「登下校中の幼稚園児や女子小学生334人を誘拐する」といったメールが送りつけられている。5月下旬以降、北は北海道から、南は沖縄県まで、多くの自治体に何度も届いているのだ。

 0歳児を保育園に預ける都内在住の30代女性は表情をしかめる。

「あまりに多いので、犯人には本気で誘拐するつもりがないイタズラだと思うのですが、そうやって油断していたら本当に狙われるかもしれない。週末に子供を連れて外出するのも怖いです」

 保育園からは6月下旬に2回、7月初旬に1回、「自治体に脅迫メールが送られた」との連絡が届いたという。それにより散歩などの園外活動が中止となり、近隣の小学校では、教師が見守る中で集団下校が行なわれた。

 事件の特徴は1か月以上にわたる大規模な犯行であることだ。元千葉県警警部補で、サイバー犯罪を担当した一般社団法人日本刑事技術協会理事の森雅人氏が分析する。

「愉快犯の可能性が高い。犯行では匿名性の高いメールサービスを使用して、発信元を偽装しているはずです。犯行が長期に及んでいるのはテレビや世論が騒ぐ様子を楽しんでいるからだろう」

 犯人は威力業務妨害または偽計業務妨害に問われる可能性が高い。しかし、森氏の見立てによると、他の罪状が加わる可能性は低いという。

「犯人からのメール文には特定の人物を脅迫する表現がない。実際に子供を誘拐したり傷つけたりする実行行為も確認されていない。威力業務妨害罪にしか問えない可能性があるが、対応に追われた行政・教育機関の関係者や両親ら周囲に与えた影響を考えると、かなり悪質な事件だ」

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