国内

負担が大きいバリウム検査は“昭和の遺物” 画像精度低く「病巣が見えない」

施設を選ぶ際はなるべくスタッフが多く、アフターケアがしっかりしているところに

バリウム検査に対する懐疑的な声も

 定期的に受診することで病気を早期に発見できる検査や検診。しかし、中には無意味どころか検査そのものが弊害を生む例もある。たとえば、胃部を検査する「バリウム検査」には懐疑的な声が多い。ときわ会常磐病院の乳腺外科医、尾崎章彦さんが指摘する。

「何よりもまず体への負担が非常に大きいことが問題です。自治体でも行われているので、きちんとした検査だと思われがちですが、実は害が大きい。放射線被ばくもありますし、バリウムの塊が腸で詰まって、腸に穴が開くケースもある。その結果、人工肛門を作ったり、最悪、死につながる可能性もあります」(尾崎さん)

 住吉内科消化器内科クリニック院長の倉持章さんも言い添える。

「バリウムはいわば“昭和の遺物”。医師不足の時代に技師でも行える検査として全国で取り入れられてきた。ところががんの有無を映し出す画像の精度が低く、胃カメラの1000~1万分の1ほどしかない。検査が苦しいわりに、病巣が見えないという弱点もある。特に早期がんの段階では見つけられず、見落としも少なくありません」

 こうした不要な検診は歯科検診の中にも存在する。東陽町歯科医院院長の大谷直さんが言う。

「定期検診を目的として歯科を受診するのであれば、基本的にレントゲン撮影は必要ありません。虫歯や歯周病は歯科医が目視すれば確実に状態がわかります。『まずはレントゲンを』という歯科医院もありますが、本来は問診をして口の中を目視、それで怪しい部分があれば同意を得てレントゲン撮影をするのが正しい流れです」(大谷さん)

※女性セブン2022年7月28日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

(時事通信フォト)
文化勲章受章者を招く茶会が皇居宮殿で開催 天皇皇后両陛下は王貞治氏と野球の話題で交流、愛子さまと佳子さまは野沢雅子氏に興味津々 
女性セブン
相次ぐクマ被害のために、映画ロケが中止に…(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
《BE:FIRST脱退の三山凌輝》出演予定のクマ被害テーマ「ネトフリ」作品、“現状”を鑑みて撮影延期か…復帰作が大ピンチに
NEWSポストセブン
雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
【天皇陛下とトランプ大統領の会見の裏で…】一部の記者が大統領専用車『ビースト』と自撮り、アメリカ側激怒であわや外交問題 宮内庁と外務省の連携ミスを指摘する声も 
女性セブン
名古屋事件
【名古屋主婦殺害】長らく“未解決”として扱われてきた事件の大きな転機となった「丸刈り刑事」の登場 針を通すような緻密な捜査でたどり着いた「ソフトテニス部の名簿」 
女性セブン
今年の6月に不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《世界ランキング急落》プロテニス・錦織圭、“下部大会”からの再出発する背景に不倫騒と選手生命の危機
NEWSポストセブン
「運転免許証偽造」を謳う中国系業者たちの実態とは
《料金は1枚1万円で即発送可能》中国人観光客向け「運転免許証偽造」を謳う中国系業者に接触、本物との違いが判別できない精巧な仕上がり レンタカー業者も「見破るのは困難」
週刊ポスト
各地でクマの被害が相次いでいる(左/時事通信フォト)
《空腹でもないのに、ただただ人を襲い続けた》“モンスターベア”は捕獲して山へ帰してもまた戻ってくる…止めどない「熊害」の恐怖「顔面の半分を潰され、片目がボロり」
NEWSポストセブン
カニエの元妻で実業家のキム・カーダシアン(EPA=時事)
《金ピカパンツで空港に到着》カニエ・ウエストの妻が「ファッションを超える」アパレルブランド設立、現地報道は「元妻の“攻めすぎ下着”に勝負を挑む可能性」を示唆
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“最もクレイジーな乱倫パーティー”を予告した金髪美女インフルエンサー(26)が「卒業旅行中の18歳以上の青少年」を狙いオーストラリアに再上陸か
NEWSポストセブン
大谷翔平選手と妻・真美子さん
「娘さんの足が元気に動いていたの!」大谷翔平・真美子さんファミリーの姿をスタジアムで目撃したファンが「2人ともとても機嫌が良くて…」と明かす
NEWSポストセブン