大腸癌研究会の報告によると、痔ろうがんの発現は希少ではあるが再発やリンパ節などへの転移リスクが高く、にもかかわらず早期の発見が難しいという。10年以上痔ろうが慢性的に再発する場合にがんの疑いが強まるが、ステージ3での5年生存率は29%と低い。
日本大腸肛門病学会指導医で、さいたま新開橋クリニックの佐藤知行院長が指摘する。
「痔ろうがんは診断が難しく、見つかった時にはすでにかなり広がっている可能性が高いうえに、予後が悪い。そして、肛門を切除して人工肛門になることもあります。そうなれば、QOL(生活の質)が下がり、違和感を抱えながら生きることになってしまう場合もあります」
痔が命に関わる病につながることがあるのだ。
※週刊ポスト2022年8月5・12日号