芸能

富田靖子、斉藤由貴も…セーラー服姿が似合った元アイドルの「毒母」役から目が離せない

かつてはセーラー服姿で一世を風靡した(時事通信フォト)

かつてはセーラー服姿で一世を風靡した(時事通信フォト)

 かつてセーラー服姿で一世を風靡したアイドルが、大人の女優としてテレビ画面に登場。しかも、最近では「母親役」どころか「毒母」を演じて話題だ。ドラマオタクのエッセイスト・小林久乃氏は、『純愛ディソナンス』(フジテレビ系、木曜夜10時〜)に出演中の富田靖子(53)と、斉藤由貴(55)の毒母役が特に気になるという。小林氏が綴る。

 * * *
『純愛ディソナンス』が面白い。出会った当初は男性高校教師と女子生徒のふたりが、人生経験を積み、周囲の人間関係に揉まれながら、関係を築いていこうとする物語。現役アイドルが主演と聞くと、見る前からやや構えてしまうところがある。でもこの作品はそんな予想を裏切った。視聴者をつい見入らせてしまう、吸引力がある。

 主演の中島裕翔(Hey!Say!JUMP)さんの何かを振り切ったように見える演技も、吸引力の1ピース。その陰で注目しているのが、和泉冴(吉川愛)の母親・静を演じる、富田靖子さんの毒母ぶりだ。「うわ……イカれてる……」と思うほど、娘に固執して、ダメ男に引っかかる静。

 彼女の演技を見ていたら「毒母と言えば」と注目していた斉藤由貴さんのことを思い出した。二人とも50代前半、ほぼ同期。10代の頃はセーラー服姿で世の男性を夢中にさせた、アイドルであった。今も美しさは健在なのに、なぜ毒母への道をいとわず、カメラの前に立つのだろうか。

笑顔の演じ分けが光る、富田の母役

 冒頭から「毒母」と書いているが、この俗語そのものに絶対的な意味はない。我が子に対して過干渉、過保護であったり、自分の支配下に置こうとしたりする行為を日常的に行う母親のことを示唆している。今回、富田さんが演じている静のように、娘がアルバイトで貯めた貯金を(自分の)恋人のために使う行為も、毒母の一理であると、私は解釈する。

 1983年の主演映画『アイコ十六歳』のセーラー服姿のデビューから、途切れることなく女優として活躍する富田さん。さすがに私も当時のことは分からないけれど、近年の役柄を見ている限り、総じて明朗な母親役が多い。笑顔のイメージが絶えることがない。

(時事通信フォト)

「明るい母」役で近年の話題作に多数出演(時事通信フォト)

 例えば『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系・2016年)での、ヒロインの母・森山桜。天然ぶりを感じさせる、夫が大好きな妻だった。朝ドラ『スカーレット』(NHK・2019年)での川原マツも、主人公の母親役だった。酒好きの夫にも逆らわず、家族を笑顔で支えていた。

 ざっくりとこんなイメージを担保していた富田さんが、今回の静役で魅せた毒母は見ていて本当に胸糞が悪い。娘が縁を切って、逃げてもまたミミズのように復活をして、不気味に笑いながら娘の生活を壊していく。前述の明るい笑顔ではなく、恐怖を感じさせる笑顔、これが富田さんの演じる毒母の特徴だ。パブリックイメージの笑顔とのギャップが大きすぎるのだ。

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